研究課題/領域番号 |
06244218
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
高畠 敏郎 広島大学, 総合科学部, 助教授 (40171540)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ウラン化合物 / 電い電子系 / 電子比熱係数 / 混成 / 磁性 |
研究概要 |
ウラン化合物の重い電子状態がどの様な混成条件で生じるかを明らかにするために、三元系化合物UT_2X(T=遷移元素,X=s-p元素)の物質探索と物性研究を行なった。 1.新しいUT_2X系化合物:X元素をGaとしたUNi_2GaとUPd_2Gaを発見した。前者は増強されたパウリ常磁性体であり、後者は6.5Kで反強磁性転移する重い電子系である。 2.UAu_2Snの構造相転移と物性:UAu_2Snは立方晶MnCu_2Al型と六方晶ZrPt_2Al型の二つの結晶構造を持つが、高温相である前者が非磁性の重い電子系であるのに対して、後者の低温相は反強磁性を示す。六方晶相の5f電子が局在的となるのは、U原子を取り囲むAu原子の数が減少し、しかもその原子間距離が伸びるので、5f電子とAuの5d電子との混成が弱められるためである。 3.UPt_2Inの二段磁気転移:六方晶のUPt_2Inは反強磁性状態に35.6Kで転移し、さらにTc=14.3K以下で強磁性成分を持つ。Tc以下でも中性子回析の反強磁性ピークは変化しない。 4.UT_2X系における磁性の消失と重い電子状態の出現条件:13個のUT_2X系化合物について、5f電子とd電子の波動関数の混成の強度V_<df>を計算した結果、T_Nと1.3KでのC/Tの値はV_<df>/Wの関数として一つの曲線に乗る事を見いだした。5f-d混成が強くなる辺りで比熱係数が最大となる事が判明した。
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