研究課題/領域番号 |
06247203
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松沢 洋 東京大学, 農学部, 教授 (00011966)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ペニシリン結合蛋白質 / 大腸菌 / ペプチドグリカン合成酵素 / 細胞分裂 / キメラ酵素 / PBP / 膜貫通領域 |
研究概要 |
大腸菌のペニシリン結合蛋白質(PBP)2と3は細胞複製に必須で、それぞれ細胞の伸長(変異株は球状細胞となる)と細胞分裂の際の隔壁形成に関わるペプチドグリカン合成酵素である。いずれも、一次構造上N末端側から、細胞質膜貫通領域、トランスグリコシラーゼ領域、トランスペプチダーゼ領域の順に位置している。N末端膜貫通領域は切断されないシグナル配列として機能し、酵素領域部分をペリプラズム側に露出するようにして細胞質膜に結合させる、錨(アンカー)の役目をしている。本研究においては、PBP2とPBP3のN末端細胞質膜貫通領域の機能と特異性を、融合蛋白質を作製し解析した。 1.PBP2とPBP3の間で、N末端膜貫通領域を置き換えた融合蛋白質は、いずれもPBP2、PBP3の変異株を相補する活性を失っていた。このことは、N末端膜貫通領域はそれぞれの特異的機能を発揮する上で重要であることを示している。 2.N末端領域は親水性アミノ酸配列と疎水性アミノ酸配列とからなる。PBP3の場合、N末端から膜結合領域直前までの親水性領域を欠失しても遺伝的相補活性を保持したことから、N末端領域における特異性は膜結合領域に限定された。しかし、PBP2の場合には、親水性領域を欠失すると遺伝的相補活性を失ったことから、この部分が重要であることが分かった。 3.現在、N末端領域の親水性アミノ酸配列と疎水性アミノ酸配列をキメラとしてもつ融合蛋白質(酵素領域はPBP2またはPBP3)の発現プラスミドを作製中であり、その遺伝的相補活性を解析するところである。
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