研究課題/領域番号 |
06247212
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
貝淵 弘三 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (00169377)
|
研究分担者 |
中福 雅人 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (80202216)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1994年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
|
キーワード | 細胞内シグナル / G蛋白質 |
研究概要 |
細胞複製制御におけるRasおよびその類似G蛋白質の作用機構の解析を行い以下の結果を得た。 (1)RasによるMAPキナーゼの活性化機構 私共はツメガエル卵の細胞質画分からRas依存性にMAPキナーゼ・キナーゼを活性化するのに必要な蛋白質因子(REKS)を部分精製している。昨年度は、REKSがRas依存性にMAPキナーゼ・キナーゼをリン酸化して活性化するプロテインキナーゼであることを明らかにした。また、RasがREKSと複合体を形成することから、REKSはRasの直接のターゲットであると考えている。最近、Rasがc-Raf-1と結合することが報告されているが、REKSがc-Rsf-1でないことを確認している。本年度は、ツメガエル卵の細胞質画分からREKSを高度に精製した。また、REKSが牛大脳細胞質画分にも存在することを明らかにし、これを均一蛋白質にまで精製した。ツメガエル卵と牛大脳から精製されたREKSは、ともに分子量約10万のプロテインキナーゼであり、自己リン酸化能を示した。一方、Cキナーゼやホスホリパーゼの制御因子として知られる14-3-3がRasと共同してREKSを活性化することも明らかにした。 (2)R-Rasの標的蛋白質の同定 GTP結合型のR-Rasをマトリックスに固定化してアフィニティカラムクロマトグラフィーを行い、R-Rasの標的蛋白質の同定を試みた。その結果、牛大脳からGTP-R-Rasに結合する分子量約10万の蛋白質(p100)を分離精製できた。この蛋白質はGDP結合型のR-Rasには結合せず、標的蛋白質結合領域に変異を導入したGTP結合型のR-Rasにも結合しなかった。また、GTP結合型のH-RasとRhoには結合しなかった。したがって、この蛋白質はR-Rasの標的蛋白質のひとつであると考えられる。この蛋白質の部分アミノ酸配列からcDNAをクローニングしたところ、Ras GAPとホモロジーがあることが判明した。 以上本年度の研究計画はほぼ達成することができたと考えている。
|