研究課題/領域番号 |
06248103
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
水島 昭二 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (50013313)
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研究分担者 |
山根 國男 筑波大学, 生物科学系, 教授 (20013336)
伊藤 維昭 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (90027334)
徳田 元 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (40125943)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
28,500千円 (直接経費: 28,500千円)
1994年度: 28,500千円 (直接経費: 28,500千円)
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キーワード | 蛋白質の分泌 / 蛋白質の膜透過 / Sec蛋白質 / SecY / SecA / SecG / Ydr / FtsH |
研究概要 |
水島グループ:(1)SecAがシグナルペプチドの疎水領域を認識しうること、この認識には酸性リン脂質が関与することを明らかにした。そしてこの成果をもとに蛋白質分泌におけるSecAの役割に関して新しいモデルを提示した。(2)SecAのATP機能部位を構成していると推定されている133番目のアスパラギン酸をアスパラギンに変えたところ、SecAの多くの機能が失われた。この結果をもとにATP機能部位の膜透過における役割を考察した。(3)変異proOmpAを用いてタンパク質の膜透過が20-30アミノ酸残基毎にstepwiseに進行することを示す結果をさらに蓄積した。 徳田グループ:大腸菌の膜透過機構を再構成実験系を用いて解析し以下の成果を得た。(1)再構成活性を上昇させる分子量約12,000の膜内在性因子SecGを見い出した。(2)SecGの遺伝子をクローニングし塩基配列を決定した。SecG遺伝子破壊株を構築し、SecGは低温での蛋白質膜透過に重要であることを明らかにした。(3)SecAの受容体となるもはSecYよよびSecEであり、SecGは受容体活性に影響しないが、膜透過に共役したSecAのATPase活性を顕著に上昇させることを明らかにした。 伊藤グループ:単独SecYの速やかな分解に、膜ATPase FtsHの機能が必須であること、その他に少なくとも2種類の遺伝子産物が関与することを明らかにした。FisHがN末端で相互作用しているオリゴマーを形成していることを明らかにし、さらに,ATPaseドメインを変異体の作製により解析した。FtsHは膜蛋白質を認識して、状況に応じてアセンブリーあるいは分解へと導く一種のシャペロンであるとの仮説を提唱した。種々のsecY変異株の膜小胞の解析から、遺伝子学的解析推定されたSceYの「活性部位(C5,C6ドメイン)」の多くの変異体はin vitroでSecAのATPase促進活性が著しく低いことを見いだした。また、Syd(Ydr)蛋白質は、SecY24変異蛋白質の特異的阻害剤としてはたらくことをin vitroで示した。 山根グループ:枯草菌における蛋白質分泌装置構成因子の一つと考えられるシグナル認識粒子を精製し、本粒子が8-9Sの大きさであること、scRNAとFfh以外に少なくとも2種類の蛋白質成分を含んでいることを明らかにした。secRNAがFfh蛋白質と結合するためにはFfhのMドメインに存在する2つのα-ヘリックス構造が必要であった。また枯草菌SecAのアミノ末端234残基からなるペプチドは大腸菌secA52変異を非許容温度で相補できるが、相補の際には枯草菌SecA234ペプチド・大腸菌SecA52蛋白質・ATP-dependent Protease Laの3者が大腸菌内で複合体を形成していることを明らかにした。
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