研究課題/領域番号 |
06248224
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
小椋 光 熊本大学, 医学部, 助教授 (00158825)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1994年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ATPase / プロテアーゼ / メタロプロテアーゼ / 熱ショック応答 / ストレス応答 / σ因子 / 膜蛋白 |
研究概要 |
FtsH蛋白は真核細胞の265プロテアソームの制御サブユニットのいくつかと相同なATPaseドメインを持ち、さらにZnメタロプロテアーゼに見られるHEXXHモチーフを持つ膜蛋白である。また遺伝的にλファージの溶菌・溶原化を制御するCII蛋白の分解に関わることが示され、Lon、Clpプロテアーゼとは異なる新しいタイプのATP依存性プロテアーゼであることが示唆された。CII蛋白を安定化するCIII蛋白は同時に熱ショック誘導に働くσ32を安定化することからσ32がFtsHプロテアーゼの細胞内基質である可能性が強く示唆された。FtsHを精製し、in vitro系で、予想したようにFtsHがATPase活性とσ32を分解するプロテアーゼ活性を持つことを明かにした。このFtsHによるσ32の分解はATPアナグロでは起こらなかった。FtsHのプロテアーゼ活性はZn2+により促進され、重金属のキレート剤o-phenanthrolineにより強く阻害された。興味深いことに26Sプロテアソームを阻害するvanadatによりFtsHのATPase活性およびプロテアーゼ活性の阻害が確認された。σ32以外のσ因子のうちσ70とσ38はFtsHによる分解は認められなかった。一方、in vivoにおいてもftsH変異によるσ32の安定化と蓄積を観察した。以上の結果より、FtsHは膜結合型のATP依存性メタロプロテアーゼであり、その基質の一つがσ32であることが明かとなった。
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