研究課題/領域番号 |
06249101
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
池村 淑道 国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系, 教授 (50025475)
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研究分担者 |
三田 和英 放射線医学総合研究所, 生物研究部, 主任研究官 (30159165)
松本 健一 国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系, 助手 (30202328)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1994年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ヒトゲノム / タンパク質コーディング領域 / GC含量モザイク構造 / 大腸菌配列 / コドンデータベース / ORF / タンパク質生産量 / コーディング配列 |
研究概要 |
1)遺伝子ごとのコドン使用データベース、ならびに生物種ごとのコドン集計データベースの更新:本年度も継続して、GenBankの全体を解析してコドン使用のデータベースの更新を続けてきた。このコドンデータベース作成後に、各生物種ごとに集計を行い、それらをも生物種の特徴パターンとしてデータベース化した。生物種ごとの特徴的パターンは、微生物や無脊椎動物のコーディング領域の推定法の基礎データとして利用されるだけでなく、有用遺伝子を化学合成する際のコドン選択において、さらに遺伝子クローニング用のプローブ作成ならびに、PCRプライマー作成の際の指針として広く利用されている。この研究と関係して、ヒトMHC領域の3種類の新遺伝子と特徴的反復配列を見い出した。 2)ゲノム解析計画により決定された大腸菌遺伝子類のタンパク質生産量、ならびにタンパク質遺伝子としての真偽についての推定:各遺伝子がどの程度に細胞内のtRNA量に適合するコドン(optimal codon)を使用するのかを、Fop(frequency of optimal codon use)として評価する方法を発表しており、コドン使用頻度からタンパク質生産量とタンパク質遺伝子としての真偽を推定する方法として、国内外の評価を得てきた。日本のゲノム計画で配列が決定され、国際DNAデータベースに登録されている大腸菌の123ORFsと米国のゲノム解析で登録された大腸菌480ORFsに着目して、各々のORFのFopを算出し、頻度分布解析をおこなった。興味深いことに、日本グループが登録しているORFsのFop分布は、既に実験的に実証されている大腸菌遺伝子についての分布と同様であるのに対して、米国の場合には、比較的短いORF(例えば100コドン以下)をも遺伝子の候補として登録していることより、明瞭に低いFop値(例えば0.5以下)がかなり存在する。勿論、100コドン以下のORFsについても高いFop値の例があり、これらは正しい遺伝子と推定される。日本グループが決定した配列についても、100コドン以下のORFsにまでFop解析を進めることで、新遺伝子を同定できる可能性が高い。
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