研究課題/領域番号 |
06249207
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
中井 謙太 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (60217643)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | RNAスプライシング / 配列解析 / データベース / 異常スプライシング / 選択的スプライシング |
研究概要 |
ゲノム解析もいよいよ大規模シークエンシングの段階を迎え、ゲノム配列中の遺伝子同定問題が注目を集めている。この問題解決に不可欠なスプライス部位の予測はまったく不十分な結果しか得られていない。一方、スプライス部位選択に関与している配列上の要因については、新たにスプライシングエンハンサー等の存在が示唆されている。さらに異常スプライシングの現象は、スプライス部位の選択が候補部位の配列だけで決まるのではなく、候補間の組み合わせ的要因が重要であることを強く示唆している(我々の異常スプライシングデータベースは、多数の外国研究者から提供依頼を受けている)。そこで本研究では、生体内のスプライス部位選択に関与していると思われる配列上の特徴を予測を手がかりとして探索し、それらを取り入れた新しいスプライス部位予測法を開発した。 具体的には、データベースに登録されている中では最大級の遺伝子であるヒトhprt遺伝子をモデルとして、スプライス部位選択に関与していそうな要因をスコア計算に取り入れる試みを主に行った。その結果、ゲノム領域中の有望なエキソン候補にスコアをつけて、その順位を調べたところ、すべての真正エキソンを100位以内に含めることができた。好成績のものに関しては、競合関係にある他の候補をうまく落とすことができれば、最終的な予測でも生き残らせることができそうである。これは、ヒトhprt遺伝子のような難問に対しては、かなり有望な結果と言える。但し、さらに改善して実用レベルの予測を行うためには 5'部位認識が問題である。一方、スプラシングエンハンサースコアは、劇的とはいえないまでも、予測能力の改善に役立つこともわかった。このように、実験などから得られた知見を取り入れたスプライス部位予測の改良を進めていくことにより、遺伝子同定プログラムの精度向上をはかる新しいアプローチが有望であることがわかった。
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