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ボツリヌス神経毒素による神経伝達物質遊離機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 06253101
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関大阪府立大学

研究代表者

小崎 俊司  大阪府立大学, 農学部, 助教授 (10109895)

研究分担者 高橋 正身  三菱化成生命科学研究所, 主任研究員
鎌田 洋一  大阪府立大学, 農学部, 助手 (20152837)
研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1994年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
キーワードボツリヌス菌 / 毒素 / 神経伝達物質
研究概要

ボツリヌス神経毒素はシナプス前膜に作用し、神経伝達物質の遊離を阻害する。毒作用発現に関わるシナプス前膜の毒素受容体の性状を調べた結果、受容体は蛋白様物質と神経細胞膜に豊富に存在する糖脂質の1つであるガングリオシドとの両者で構成されていることが予想された。B型毒素受容体の単離を試みた結果、ガングリオシドGT1b、GD1a共存下で毒素結合活性を発現する分子量58Kの糖蛋白を精製した。この58K蛋白はシナプス小胞の構成蛋白の1つであるシナプトタグミンと非常に類似した構造を持っていた。リコンビナントシナプトタグミン(I、II)を調製し、毒素結合能を調べた結果、IIはIと比べ10倍高い親和性を持つことが判った。このことはB型毒素に対して脳シナプトソーム膜上には高親和性と低親和性の2種類の毒素結合部位が存在することとよく一致した。シナプトタグミンIIのN末端を認識するモノクローナル抗体により毒素の脳シナプトソームへの結合が阻害された。さらに毒素処理シナプトソームしたシナプス小胞に毒素の存在が認められた。これらの結果から、毒素はシナプス小胞のリサイクリングの系を介して細胞内に侵入することが可能であると考えられた。一方、重鎖とは異なる機構で軽鎖単独でもpH依存的にチャネル形成能を持つことから、細胞内では軽鎖は単独でも膜内移行が可能であること示唆された。B型毒素軽鎖はシナプス小胞構築蛋白であるシナプトブレビンを細胞内基質とし、その分解の至適pHを調べた結果、弱酸性域にあることがわかった。これら実験成績からシナプス小胞内取り込まれた毒素が軽鎖と重鎖に解離し、軽鎖は小胞膜上に存在するプロトンATPaseの働きで形成されるpH勾配により小胞外に露出することが可能であることが示唆された。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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