研究課題/領域番号 |
06253216
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
狩野 方伸 自治医科大学, 医学部, 講師 (40185963)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 小脳スライス / パッチクランプ / 抑制性シナプス / 長期増強 / GABA受容体 / Ca^<++> / calmodulin-dependent protein kinase / protein phosphatase / protein kinase C |
研究概要 |
本年度は以下の3項目について研究を行った。 1.Ca^<++>/calmodulin-dependent protein kinaseII(CaM-KII)活性化によるGABA電流の増強について 生後約2週齢ラットの小脳スライスプルキンエ細胞からwhole-ceII patch clampを行った。単離CaM-KIIを、カルモジュリン、Ca^<++>、ATPγS存在下で自己燐酸化させ、活性化型としてパッチピペットからプルキンエ細胞に注入した。whole-cell記録開始5分後から2分毎にバスにGABA(2-5μM)をあたえて内向きのクロライド電流をモニターした。対照として熱処理して変性させたCaM-KIIを同様に注入する実験を行った。活性化型CaM-KIIを注入するとGABA電流の振幅が増大し、記録開始20分後には5分後の値の約150%に達した。また、抑制性シナプス後電流(IPSC)の振幅も同様に増大がみられた。一方、対照群では、GABA電流およびIPSCの振幅に変化はなかった。 2.ホスファターゼ阻害剤の効果について。 タンパク脱燐酸化をホスファターゼ阻害剤の calyculin A (1μM) を用いてブロックすると、GABAによる電流応答が増大した。vehicleのみの対照実験では電流振幅にほとんど変化はなかった。 以上の結果はプルキンエ細胞のGABA_A受容体の反応性はCaM-KIIによる燐酸化とホスファターゼによる脱燐酸化によって調節されていて、一過性Ca^<++>濃度上昇に引き続くCaM-KII活性化とそれによる燐酸化がIPSCの長期増強に関与することを強く示唆する。 3.protein kinase C(PKC)の関与について PKCの特異的阻害ペプチドのPKC(19-36)を細胞内に与えても長期増強をブロックできなかった。今後阻害剤の濃度、投与方法について、さらにはこれ以外の阻害剤について検討する予定である。
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