研究課題/領域番号 |
06253222
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
和田 圭司 国立精神・神経センター, 神経研究所・疾病研究第4部, 部長 (70250222)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1994年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
|
キーワード | 神経伝達物質受容体 / 記憶・学習 / 発生工学 / 分子生物学 / 電気生理学 / グルタミン酸 |
研究概要 |
1 グルタミン酸受容体GluR3サブユニット変異体であるsGluR3はAMPA受容体特異的にdominant-negative作用をもつことをアフリカツメガエル卵を用いた遺伝子発現実験により確認した。このことはsGluR3がAMPA受容体機能をin vivoで修飾する発生工学的ツールになりうる可能性を示している。この可能性を検討し、さらにAMPA受容体機能の生体における役割を解明するため、sGluR3を過剰発現するトランスジェニックマウスの作成を試みた。sGluR3cDNAをβactin promoter並びにglial fibrillary acidic protein(GFAP)promoterの下流にサブクローニングし各々のトランスジーンをマウス受精卵前核に注入しトランスジェニックマウスの作成を行った。約500個の処置卵からβactin promoterについては5匹の、GFAPpromoterについては3匹の生存トランスジェニックマウスを得た。各トランスジェニックマウスの系統化を試みβactin promoterについては3系統、GFAPpromoterについては2系統を確立した。各系統につき脳内でのsGluR3mRNAの発現をRT-PCR法で解析したところβactin promoterを使用した1系統が陽性であった。当該系統におけるsGluR3蛋白の発現の有無をWestern blot法により解析したが脳内での発現を確認できなかった。今後は繁殖が遅れておりまだ未検査であるGFAP promoter使用の1系統の解析を進めるとともに、sGluR3のconditional expression法を検討する予定である。 2 sGluR3は正常GluR3と違いputative transmembrane domain3と4の間で33個のアミノ酸が欠失している。この33個のアミノ酸のうちsGluR3のdomainant-negative作用にも最も関与するアミノ酸残基を見いだすため、まず前から順に9個、8個、8個、8個のアミノ酸を欠失した新しい変異体(S1〜S4)を作成しそのdominant-negative作用の有無をアフリカツメガエル卵遺伝子発現系で検討した。その結果、S1およびS4が元のsGluR3に匹敵する作用をもつことが判明した。今後さらにS1およびS4で欠失した部分の解析を進める予定である。
|