研究課題/領域番号 |
06254201
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
玉岡 晃 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (50192183)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | β蛋白 / アルツハイマー病 / 家族性アルツハイマー病 / β蛋白前駆体 / アミロイド / マススペクトロメトリー / ELISA |
研究概要 |
β淡白1-40とβ蛋白1-42/43を識別する断端特異的な抗体を用いたELISAやマススペクトロメトリーにより、孤発性のアルツハイマー病(AD)やβ蛋白前駆体(APP)717のValがIleに変異した家族性アルツハイマー病(familial Alzheimer's disease;FAD)脳のβ蛋白分子種の解析を行なった。FAD脳と孤発性のAD脳とでは、β蛋白の分子種は基本的には同様であったが、FAD脳ではC末端の長いβ蛋白1-42/43の割合が増加していた。このことは、同様なAPPの変異を発現させた培養細胞の上清中のβ蛋白においても確認できた。β蛋白1-42/43はβ蛋白1-40より重合しやすいことより、このことがFADの発症機序に関与している可能性がある。即ち、APP717の変異(Val-Ile)はβ蛋白のC末端のprocessingに影響を及ぼすことによってFADを発症するものと推測できる。孤発性のAD脳においてβ蛋白1-42/43の割合は多様であったが、β蛋白の総量の少ないものではβ蛋白1-42/43の割合が高く、多くなればなるほど、β蛋白1-40の割合が高くなる傾向が認められた。この事実も、β蛋白1-42/43がアミロイド線維形成時の核となり、β蛋白1-40がその周囲に重合し、アミロイド線維が増生していく、という"nucleation-dependent mechanism of the β amyloid deposition"を支持している。一方、び慢性老人斑に富み、脳血管アミロイドを含まないAD小脳より、β蛋白を抽出し、それを上記のELISAにてβ蛋白の分子種を解析した。その結果、び慢性老人斑は主としてβ蛋白1-42/43より構成されることが明らかとなった。
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