研究課題/領域番号 |
06254211
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
植村 慶一 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90049792)
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研究分担者 |
三浦 正幸 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50202338)
戸田 正博 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20217508)
中尾 純治 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80255570)
武田 泰生 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60245462)
阿相 晧晃 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30104160)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1994年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 細胞接着蛋白 / アストロサイト / シュワン細胞 / ドレブリン / L1 / GFAP |
研究概要 |
神経細胞の老化に関する病的変化と考えられていたアルツハイマー原線維変化が、アストロサイトでも出現することから、侵されるのは神経細胞だけでなく、アストロサイトも機能障害を受ける事が示唆される。本研究では、老化現象の機構を個体レベルから細胞レベルで調べる目的でアストロサイトを単離培養し、アストロサイトの加齢による変化を生体膜と細胞接着因子の面から検討した。生理的老化のモデルとしてIn vitroにおけるグリア細胞の長期培養系を考案し、約1年培養した細胞を試料とした。加齢によって、まず細胞の生体膜組成に変化が起こることから、アストロサイトの形質膜の糖脂質を分背強いた。加齢によって中性糖脂質ではサラミドジヘキソースが著しく、セラミドトリヘキソースやグロボシドも有意に増加し、酸性糖脂質ではGD3やGD1aを含むポリシアロ体のガングリオシドの増加が認められた。一方細胞間の接着や認識および細胞膜を介した情報伝達系に関与する細胞接着因子NCAMも加齢によって変化した。すなわち、NCAMにはスプライシングによって生成されるアイソフォームがあり、アストロサイトでは140KDa,120KDa分子の発現が優位であるが、加齢したアストロサイトでは120KDa分子が優位を占めた。このことはNCAMのmRNAのalternative splicingの変化を示唆する。NCAMの膜貫通型から、GPI結合型アイソフォームの増加によって機能変化の可能性が考えられる。加齢によってタイプII型のアストロサイトの増加が報告されており、これらの細胞が老人脳で機能回復に働く可能性が示唆された。
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