研究課題/領域番号 |
06254215
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所 |
研究代表者 |
仙波 りつ子 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 周生期学部, 室長 (80100163)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 神経栄養因子 / ニューロトロフィン-3 / 酵素免疫測定系 / 海馬 / 膵臓 / 免疫組織化学 |
研究概要 |
本年度はニューロトロフィン-3(NT-3)の酵素免疫測定系を確立できたので、1カ月齢のラットを用いて脳および末梢組織のNT-3の分布と細胞局在を検討し、以下の結果を得た。 1 脳において、NT-3は海馬、小脳、中隔野および嗅球に検出できたが、海馬の濃度がもっとも高かった。免疫組織化学的には、海馬のCA2およびCA3に局在していた。また、海馬のNT-3タンパクは、分子量14kDaでありrecombinant human NT-3と同じ分子量であった。 2 末梢組織のNT-3濃度は全体的に脳より高かった。もっとも高い濃度を示したのは膵臓であり、次に脾臓であった。逆に、NT-3濃度の低い臓器は顎下腺、精巣等であった。膵臓におけるNT-3は、ランゲルハンス島のグルカゴン産生細胞に局在していた。また、肝臓では肝細胞に、横隔膜では筋線維に、脾臓では赤脾髄にNT-3の反応性が見られた。膵臓のNT-3様タンパクは、分子サイズ12kDaとrecombinant human NT-3より少し小さかった。また、膵臓のNT-3 mRNAレベルは肝臓に比べきわめて低く、受容体であるtrkCの発現は逆に高かった。 以上の結果から、NT-3の濃度は、脳では海馬に、末梢組織ではnodose ganglionの標的細胞に比較的高いことが明らかとなった。NT-3はNGFファミリーの神経栄養因子であり、classicalなtarget-derived neurotrophic factorとしての機能を持つだけでなく、その他の作用のあることが推察された。
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