研究課題/領域番号 |
06255212
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
岡本 尚 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (40146600)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 転写調節 / シグナル伝達 / NF-kB / NF-kBキナーゼ / 金製剤 |
研究概要 |
HIVプロウイルス活性化の分子機構をこれまで追求してきた。宿主因子NF-kBのシグナルに基づく活性化機構として、特異的リン酸化酵素(NF-kB kinase)を同定しその遺伝子クローニングを進めている。また、特異的阻害剤についても現在スクリーニングを進めている。 なお、すでにわれわれはNF-kB活性がレドックス制御を受けていることを報告したが、従来より慢性関節リウマチに治療薬として使用されてきた金製剤がこの機構を利用してNF-kB活性を阻害していることを最近見いだした。ヒトリンパ球より精製したNF-kBを用いたゲルシフトで検定した結果、1価の金イオンを持つ化合物のなかでもgold thioglucose(AuTG)が最も強くNF-kBのDNA結合能を阻害した(10μMで明らかな直接阻害効果をみた)。金イオンによるNF-kBのDNA結合能の阻害はその酸か活性によると考えられる。すなわち、1価の金イオンは強い酸化力により、亜鉛を配位しているNF-kBのシステインから電子を奪い、その結果NF-kBは酸化されDNA結合能を失うと考えられる。 さらに、われわれはHIVの持つ転写調節論理を人工的に賦与した組み換え細胞pKO-CEMを作成し、実際に既存のTat阻害剤の効果を判定した。すでにTat阻害剤として報告されているRo-24-7429の効果を調べた結果、Ro-24-7429は4μg/mlで効果ありと判定できた。ただし、Ro-24-7429は細胞毒性も強くtherapeutic windowが狭いこともこの方法で同時に検定できた。
|