研究課題/領域番号 |
06255213
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
岡田 秀親 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (30160683)
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研究分担者 |
岡田 則子 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (20160682)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1994年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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研究概要 |
CD3に対するモノクローナル抗体(mAb)とHIVのgp120に対するmAbとでBifunctional anti-body(BFA)を作成し、これを末梢血リンパ球に結合させて、HIV感染細胞と混合培養すると、感染細胞の排除が極めて効率よく起こることを昨年度迄の成果として示した。そこで患者の治療にも実用化しうるBFAの作成をめざし、患者から分離したHIVの細胞表面抗原に対するmAbの探索を行った。その結果、HIVのgp41に対するmAbであるIV-1-4G6及びIV-1-3-3が野生株HIVとして分離したHIV_<SKMT>及びHIV_<ISKR>の感染細胞に反応することがわかった。HIV_<IIIB>感染細胞にも弱く反応したがHIV_<GUN>には反応しなかった。従って、gp41に対するmAbは全てのHIV-1の反応するわけではないが、gp120に対するmAbよりはstrain specificityがはるかに広いと考えられた。そこでmAbのIV-1-4G6やIV-1-3-3とCD3に対するmAbであるUCHT-1とでBFAを作成した。これらのBFAで感作したリンパ球をHIV感染患者由来の野生株ウイルスであるHIV_<SKMT>を感染させた細胞に作用させてみた。その結果、gb41に対するmAbとCD3に対するmAbとで作成したBFAも、感染細胞に対するリンパ球の細胞障害反応を誘導することができることが認められた。すなわち^<51>Crで標識したHIV_<SKMT>感染細胞をBFAで処理したリンパ球と混合培養を6時間行い、反応後上清に遊離した^<51>Crを測定し、特異的細胞障害が起こっていることを確かめた。同様の実験をHIV_<ISKR>感染細胞を用いて行っても特異的細胞障害反応が認められ、gp41に対するmAbのbroad specificity がBFAを介した細胞障害反応でも認めることができた。従って、数種類のmAbのパネルを用意することで、多くのHIV株をカバーできると予測される。
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