研究課題/領域番号 |
06255216
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
水落 次男 東海大学, 工学部, 教授 (90133149)
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研究分担者 |
中田 宗宏 東海大学, 工学部, 講師 (00266371)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | エイズ / HIV / 抗HIV剤 / 抗真菌剤 / 抗生物質 / 糖鎖構造 / 糖蛋白質 / 人工糖脂質 |
研究概要 |
HIV粒子表面の大部分は、HIV表面糖蛋白質gp120分子の約半分を構成する糖鎖によって覆われていると考えられている。また、これまでに我々はHIV(IIIB)感染H9細胞由来gp120の糖鎖構造の全貌を解明したとともに、高マンノース型糖鎖がその主要な糖鎖であり、しかもHIV感染過程に重要であることを明らかにした。そこで、真菌の表面がHIV粒子表面と同様に大量のマンノースで覆われているため、抗真菌剤の中にこのHIV糖鎖に結合してHIV感染を阻止する物質がないか、HIV(IIIB)による感染を指標にして探索を行なった。その結果、Pradimicin Aという抗真菌剤がHIV感染阻止作用を示すこと、また、その作用HIV(IIIB)のgp120糖鎖の内の高マンノース型糖鎖によって阻害されるが、それ以外のgp120糖鎖では阻害されないことが示された。また、この物質の生化学的解析からこの物質がgp120の高マンノース型糖鎖に結合する糖鎖結合性抗生物質という全く新しい概念の物質であることを明らかできた。これらの知見は、HIV糖鎖を標的とした抗HIV剤の開発が可能であること、糖鎖結合性抗真菌剤がHIV感染者におけるHIV増殖やエイズ発症の抑制剤として所望であることを示唆している。そこでさらに、抗HIV剤のドラッグデザインを目指して、糖鎖認識に関与するこの抗生物質の分子内部位およびgp120側の糖鎖の分子内部位の解析を行なった。様々な人工糖脂質糖鎖に対する結合実験、単糖を用いた結合阻害実験およびこの抗生物質の誘導体を用いたHIV感染阻止試験や人工糖脂質に対する結合実験を行なった結果、糖鎖側および抗生物質側の両方で複数の分子内部位が糖鎖結合およびHIV感染阻止に関与していることを示唆する知見を得た。今後はこの部位をさらに詳細に解析する予定である。
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