HIVLTR領域に結合する転写因子HIV-EPはDNA結合ドメインとしてメタルフィンガー構造を持つ。そのため金属キレート剤がインヒビターとして作用する可能性がある。そこで一連の合成金属キレート剤がHIV-EPのDNA結合活性に及ぼす影響をgelretardation assayを用いて検討し、HIV-EPのDNA結合活性を効率良く阻害するものを得た。今d御この阻害剤を用いてHIV-EPの機能解明が進むことが期待される。また同様のHIV転写制御因子MybのDNA結合ドメインとDNAの複合体の立体構造をNMRにより決定した。その結果2つの認識ヘリックスが互いに相互作用するいう従来知られていなかった新しい構造のモチーフが同定された。決定された立体構造は阻害剤開発の基盤となるばかりでなく、複数のDNA結合モチーフを組み合わせた塩基配列特異的なインヒビターのデザインの基盤となるものである。
|