研究課題/領域番号 |
06255219
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
中内 啓光 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (40175485)
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研究分担者 |
徳元 康人 筑波大学, 基礎医学系, 助手 (70261170)
中村 幸夫 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (60231479)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1994年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | CD4 / HIV / マクロファージ指向性HIV / β-gal |
研究概要 |
HIV感染に必要なCD4以外の分子の存在を明確にするため、expression cloningによりこの分子をコードする遺伝子のクローニングを行うことを試みた。HIV感染が成立した細胞を選択する方法としてはHIVのLTRの下流にlacZ遺伝子を連結したマーカー遺伝子を用い、感染成立によりβ-galを発色した細胞を識別する方法と、ネオマイシン耐性遺伝子を組み込んだりリコンビナントHIVウイルスを感染させることにより感染成立した細胞をG418存在下で培養して選択する方法の二通りを行った。また発現クローニングにはcDNAライブラリーの他にヒトゲノム高分子DNAによる遺伝子導入法も試みた。その結果、ヒトCD4分子を強くしかも安定に発現し、かつβ-gal活性の増強をpSVtatのトランスフェクトにより誘導できる細胞株(COST4LacZ#17)を樹立した。同様のシステムをHeLaT4細胞でも確立し(HeLaT4LacZ#19)、この細胞ではT細胞株指向性HIV-1(HIV-1_<SF13>)の感染によりX-galの青い染色が感染後48時間という短時間で観察された。またマクロファージ指向性HIV-1(HIV-1_<SF162>)を用いた場合は、このシステムによる感染の成立が全く確認されないことより、マクロファージ指向性HIV-1の感染に必要な分子はヒトHaLa細胞においても欠如していることが示唆された。cDNAライブラリーは、50のサブプールに分けて作製し、COST4LacZ#17にHIV感染性を導入できるプールの選択を試みている。またヒトCD4を発現させたマウスL細胞(TK欠損株)に、ヘルペスTK遺伝子とともにヒトゲノムDNAをトランスフェクトした後、HAT培地での選択で生き残ったコロニーにネオマイシン耐性遺伝子を有する組換えレトロウイルス(日医大、島田教授との共同研究)を感染させた。計5,000個ほどのコロニーを組換えレトロウイルスに感染させたが、G418耐性を安定に獲得したクローンを得ることはできなかった。 一方で、HIVキャリアの病態や遺伝子治療を考える上で重要と考えられるCD4遺伝子自体の発現調節機構および造血幹細胞におけるCD4の発現、キラーT細胞の機能分子であるCD8の機能、造血幹細胞を標的とした体細胞遺伝子治療についても基礎的な検討を行った。
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