研究課題/領域番号 |
06258211
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
伊藤 建夫 大阪大学, 理学部, 助教授 (40051817)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ColE2群プラスミド / ColE2プラスミド / アンチセンスRNA制御 / 翻訳制御 / 翻訳開始機構 / RNA構造 / ステム・ループ構造 / RNA / RNA相互作用 |
研究概要 |
ColE2プラスミドDNA複製系では、プラスミドの必須複製開始蛋白質(Rep蛋白質)の発現が、そのmRNAに対するアンチセンスRNAにより転写後の段階で阻害される。アンチセンスRNAによって翻訳開始領域が覆われることなしに阻害がおこる仕組みを解明することを目的として研究を行い、本年度は次のような成果を得た。1.アンチセンスRNAとRepmRNAの二次構造を生化学的に明らかにした。両RNAの機能構造が少々異なっている可能性を示唆する結果を得た。2.アンチセンスRNAの結合によりRepmRNA上の翻訳開始コドンを含む領域の構造が変化することを明らかにした。RepmRNAの構造に翻訳可能な構造と不可能な構造があることが示唆された。3.アンチセンスRNAがin vitro無細胞蛋白質合成系においてRep蛋白質の合成を阻害しうることを明らかにした。この系を利用してアンチセンスRNAがRepmRNAのステム・ループ構造(開始コドンから約70塩基)と結合すればその翻訳を阻害しうることを明らかにした。4.RepmRNAの翻訳効率を著しく下げる塩基置換変異を翻訳開始コドンから約70塩基上流と翻訳領域内とに見い出した。これらの変異の解析によりRepmRNA上の翻訳開始に重要な塩基配列や構造が明らかになることを期待している。5.ColE2群プラスミド11種の複製領域の塩基配列を決定した。Rep蛋白質合成の阻害活性の特異性の異なる5種のアンチセンスRNAの内4種の特異性群では、RepmRNAとの相互作用に重要なステム・ループ構造のループ部分の塩基配列(9残基)が同一であった。この塩基配列に類似の塩基配列は種々のアンチセンスRNAの系で見い出され、機能上、進化上の重要性を示していると考えられる。
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