研究課題/領域番号 |
06258215
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
太田 成男 日本医科大学, 老人病研究所, 教授 (00125832)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1994年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ミトコンドリア / tRNA / ミトコンドリア病 / 糖尿病 / MELAS / ミトコンドリア脳筋症 / mtDNA |
研究概要 |
ミトコンドリアtRNA遺伝子の変異が、主に中枢神経や骨格筋に症状の現れるミトコンドリア脳筋症の原因であることが判明した。さらに、糖尿病患者の約1%はミトコンドリアtRNA遺伝子に変異をもつことが明らかにされた。ミトコンドリア脳筋症では、変異を持つtRNAの種類に依存して臨床症状が異なっており、臨床症状によって分類された病型と変異を持つtRNA遺伝子の種類がよく対応する。また、糖尿病患者に認められるミトコンドリアDNAの変異遺伝子は大部分がtRNA^<Leu(UUR)>上のものであるにもかかわらず、ミトコンドリア脳筋症の一病型でtRNA^<Leu(UUR)>遺伝子上に変異を持つMELASの特徴である脳卒中様症状は糖尿病患者には認められない。 mtDNAの欠失によって眼瞼下垂が特徴のCPEOが発祥するが、CPEO患者の眼瞼の筋の欠失mtDNAの比率を調べると特に多くはなかった。 糖尿病患者でtRNA^<Leu(UUR)>遺伝子の点変異を持つ患者の胃の変異mtDNAの比率を調べると多いというわけではなかった。 母が糖尿病患者で娘がMELAS患者の家系があり、変異mtDNAの比率を調べると母親の変異mtDNAは娘の変異mtDNAよりも少なかった。 mtDNAの複製の過程では一本鎖DNAが生じる。RNAのプロセシングに関与する因子はRNAのみならず、一本鎖DNAにも結合する。変異tRNA遺伝子にはそれらの因子は結合できないあるいは親和力が弱い。結合因子はDNAの複製を阻害するために、因子の結合していない変異mtDNAの複製は相対的に速くなる。このモデルを支持する結果として遺伝子に変異を持つtRNAのプロセシングの異常をtRNA^<Ile>やRNA^<Leu(UUR)>で示した。
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