研究課題/領域番号 |
06259207
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小俣 達男 名古屋大学, 農学部, 助教授 (50175270)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1994年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | ラン藻 / 硝酸同化 / 炭酸同化 / 遺伝子発現 / 亜硝酸還元酵素 / 硝酸イオン輸送系 / 活性制御 / 転写調節 |
研究概要 |
1.ラン藻の硝酸同化に必要な硝酸イオン輸送体、硝酸還元酵素、および亜硝酸還元酵素の遺伝子はオペロン(nirAオペロン)を構成しており、その転写は、還元型窒素源であるアンモニアを与えて窒素過剰状態にすると阻害される。本研究では、nirAと炭酸同化酵素Rubiscoの遺伝子(rbcL)の発現制御機構について以下のことを明らかにした。 (1)グルタミン(アンモニアの初期同化産物)から合成される含窒素化合物のひとつであるカルバミルリン酸がnirAの転写を阻害し、rbcLの転写を促進することを明らかにした。さらにカルバミルリン酸の代謝・分解産物のうちシアン酸のみが同様の効果をもつことをつきとめた。 (3)シアン酸のnirAおよびrbcLの転写に対する効果が、その分解産物であるアンモニアによるものでないことを、アンモニア固定の阻害剤を用いた実験から明らかにした。以上の結果から、シアン酸自体がnirAの転写を抑制し、rbcLの転写を促進する効果をもつものと結論した。 2.硝酸イオンまたは亜硝酸イオンを還元、同化して生育しているラン藻にアンモニアを与えると、これらのイオンの取込みが阻害される。この機構について以下のことを明らかにした。 (1)硝酸イオンと亜硝酸イオンを輸送するNrt輸送体の構成タンパク質のひとつであるNrtCのC末端ドメイン(400アミノ酸残基から成る)を除去すると、亜硝酸イオンの取込みがアンモニアの添加に対して非感受性になることを明らかにし、NrtCのC末端ドメインが輸送活性の制御に関わることを示した。 (2)NrtCのC末端ドメインを除去しても、硝酸イオンの取込みは、依然としてアンモニアに感受性なので、窒素過剰状態では、硝酸イオン/亜硝酸イオン輸送体だけでなく硝酸還元酵素も阻害されると推定した。
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