研究課題/領域番号 |
06260202
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
津田 一郎 北海道大学, 理学部, 教授 (10207384)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1994年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 非対称シグモイド関数 / 馬蹄型写像 / 回路の時間特性 / 差分化 / カオスニューラルネット |
研究概要 |
嗅球の神経回路の基本グループを神経回路の常微分方程式でモデル化し、入力情報のコーディングのありかたを調べた。神経回路の入出力関係は非対称シグモイド関数とした。 1)入力波形に関する実験は誤差がおおきく極めてあいまいであるので、入力波形を一つのパラメーターで連続変形させ回路の応答を調べた。種々の分岐が観測された。波形が上に凸の場合、基本分岐は接線分岐とクライシスであり、波形が下に凸の場合は周期倍分岐である。リ-とホップフィールドが仮定した波形ではみごとな馬蹄型写像が現われカオスであることが示された。これは、におい情報が入力波形に変換され、さらに回路の時間特性に大きく影響を与えることを意味している。 2)入力波形を上記に固定し入力周期を変化させると、カオスと入力に一対一に同期した周期解が交互に現われ、カオスの振幅は入力周期が長くなるほど指数的に小さくなった。なお入力の大きさは実験データから算出し、固定した。これは、遅い呼吸ほどにおい情報が少数のパルスの組しか発火させないが情報の時間構造は呼吸周期によらないことを意味している。 3)入力が回路の時間応答にくらべて十分速い極限において、入力をパルス入力と考え、パルスがはいった時点から次のパルスがはいった時点へのポアンカレ写像を定義し、微分方程式系を差分化した。得られた差分方程式は指数関数を含む2次元ユークリッド空間からそれ自身への非線型写像である。次のふたつの結果が得られている。嗅球の回路は上の基本微分方程式が多数結合したものだが、そこに入力パルスがはいったときの全差分方程式は、個々の基本方程式の差分化方程式が同様の結合をしたものと等価である。2次元差分方程式の分岐は2周期からカオスへいたるものである。ベイシンは一個か、他に存在したとしても極めて小さい。
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