研究課題/領域番号 |
06260211
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 智幸 東京大学, 医学部(医), 教授 (40092415)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | シナプス / 受容体 / EPSC / ノイズ解析 / チャンネル / スライス / 小脳 / 顆粒細胞 |
研究概要 |
中枢シナプスにおいて、伝達物質によるシナプス受容体の飽和が提唱されている。この飽和仮説の当否を検討する目的でラット小脳スライスの顆粒細胞からホールセル記録を行い、苔状繊維を局所電気刺激してnon-NMDA型興奮性シナプス電流(EPSC)を誘発して解析を行った。刺激強度を漸増させて、単一繊維入力刺激を確認した。いくつかの細胞では自発性微小EPSCと同程度の小さなEPSCが誘発された。細胞外液のCa濃度を下降させMg濃度を上昇させてCa/Mg濃度比1.25/3mM-0.5/5mMとしたところ刺激に対する不応答数が著明に増大した。これに対して、誘発されるEPSCのサイズは不変であった。これらのEPSCは単一放出部位からの伝達物質素量子に起因すると示唆される。単一放出部位EPSCの振幅ヒストグラムは正規分布をなし、分散係数は0.32±0.04(n=5)であった。このEPSCを非定常ノイズ解析によって解析したところ、ほぼ直線的な電流分散関係が得られた。この結果から、単一伝達物質素量子は受容体を飽和しないと結論される。この最小EPSCとは別個の細胞で、きわめて大きなEPSCが観察された。そのうちのいくつかの例では、EPSCの振幅のゆらぎがほとんど認められなかった。このEPSCの振幅ヒストグラムも正規分布をなしたが、C.V.は0.05±0.05ときわめて小さく値を示した。非定常ノイズ解析を行ったところ、電流分散関係は、ほぼ完全な放物線を示した。従って、この場合、ほぼすべての受容体が伝達物質によって飽和すると結論される。これらの結果から、伝達物質素量子は、後シナプス膜の一部のnon-NMDA受容体と結合してチャンネルを開口させる一方、複数の放出部位から放出された伝達物質素量子は互いにオーバーラップして、シナプス間隙の伝達物質濃度を上昇させ、その結果受容体の飽和が生じると結論される。
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