研究課題/領域番号 |
06260229
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村上 富士夫 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (20089882)
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研究分担者 |
宋 文杰 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (90216573)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 新生ネコ / 大脳-赤核系 / シナプス発芽 / 長期増強 / 可塑性 / スライスパッチ法 / in vitro / in vivo |
研究概要 |
シナプス伝達の長期増強には、一つの可能性として神経活動→シナプス伝達の強化又は減弱シナプス発芽又は縮退による変化の固定化といった機構が考えられる。 我々はこれ迄、ネコの大脳-赤核系を用い、そのシナプス伝達、結合の可塑性に関する研究を進めてきた。その結果、脳の損傷、古典的条件付けなどの結果、シナプス発芽が起こることが明らかになった。また発達期脳において、大脳-赤核系では投射パターンの著しい変化が生ずることも示した。さらに最近の準備的実験により、大脳-赤核シナプスで長期増強が起こることが明らかになった。この系を用いたシナプス発芽の証明法も確立している。 以上のことから、大脳-赤核系は上述の問題を検討するのに最適の系であると考え、本研究では大脳-赤核系のin vitro及びin vivo標本の両方を用いて、シナプス伝達の長期増強(抑圧)がシナプス発芽(縮退)に移行するか否かを明らかにすることを目的として研究を遂行した。 実験には新生ネコの大脳-赤核系を用いて赤核より細胞内記録をおこない、大脳脚刺激によって生ずるシナプス電位の長期的変化を探索した。そして同側性大脳-赤核シナプスと交差性大脳-赤核シナプスにおける伝達特性の違い、相互干渉の有無を明らかにした。また、in vitro標本の開発に着手し、赤核を含む脳幹部の水平断切片を作り、スライスパッチ法を用いて記録をおこない、全動物標本で得られた結果の再現を試みた。最後に大脳-赤核シナプスの伝達物質を同定し、長期増強(抑圧)発現の薬理学的阻害のための条件を探索した。
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