研究課題/領域番号 |
06260232
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
安井 湘三 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (50132741)
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研究分担者 |
古川 徹生 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (50219101)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 網膜 / 水平細胞 / シナプス / 可塑性 / グルタミン酸 / サイクリックGMP / 一酸化窒素 / 2-アミノ-4-フォスフォノ酢酸 |
研究概要 |
鯉網膜における錐体視細胞→H1水平細胞のシナプスについて、短波長信号の選択的伝達、APBをアゴニストとするグルタミン酸駆動型、コンダクタンス減少型、極性反転型、また暗順応により作動が阻害されることなどを我々は明らかにしてきた。最近は、このシナプスに関するH1細胞内分子機構および視覚生理機能の究明を重点的に試みている。本年度の主要成果は以下の通りである 分子機構 (1)問題とするAPB感受性の短波長系シナプスはcGMPをsecond messengerとする代謝型であることがcGMP注入実験等から示された。 (2)一酸化窒素(NO)も重要な役割を担っていることが判明した。すなわち、アルギニン→NOS→NO→GC→cGMPの存在が、短波長光で惹起される入力抵抗変化にNO産生物質やNO阻害剤が与える影響を調べる実験より示された。 (3)上記の実験は網膜が明順応のときに限り肯定的な効果が認められた。このことや後述(5)の結果などから、NOが明順応信号となって本シナプスの起動に関与することが示唆される。 視覚生理機能 (4)H1水平細胞の分光感度について、明順応時には610nm付近をピークに感度曲線がシャープに尖ることが判明した。極性反転の短波長シナプスが起動して青/緑領域における応答の正味振幅が減少したためと解釈できる。 (5)暗順応状態でNO産物物質を与えると(4)の明順応と同様な効果を得た。この分光感度曲線の急峻化は、明順応時に重要となる色の弁別機能になんらかの意味で有利になるものと考えている。 (6)H1水平細胞の受容野の大きさに関して、明順応時には赤光に比べて青光が狭くなること、暗順応時には青光も赤光と同じ広さだがNOを加えると青光が狭くなるという明順応と同様な効果を得ることが実験で示された。このことは、ギャップ結合による水平細胞の相互連結を考慮したケーブルモデルと短波長シナプスがNO起動のコンダクタンス減少型であることから説明可能である。
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