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ヒト ヘムオキシゲナーゼ遺伝子の熱ショックエレメントの機能の抑制機構

研究課題

研究課題/領域番号 06261201
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関東北大学

研究代表者

藤田 博美  東北大学, 医学部, 助教授 (60142931)

研究分担者 柴原 茂樹  東北大学, 医学部, 教授 (70206142)
研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1994年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
キーワードヘム オキシゲナーゼ / 熱ショック / サイレンサー / 種差 / カドミウム / 細胞分化
研究概要

ヒトヘムオキシゲナーゼ(HHO:hsp32)の誘導機序について以下のことを解明した。
(1)熱ショックによる誘導の抑制機構:ヒトはラットとは異なりHOの熱による誘導はない。しかも、熱ショック処理をするとカドミウムやヘムによるHHO誘導まで抑制されてしまう。このことはヒトでは熱ショック下ではHO誘導を抑制する必要が存在する事を示唆している。そこでHHO遺伝子を解析し熱ショックエレメントのすぐ下流に28bpのサイレンサー配列の存在することを明らかにした。
(2)カドミウムによる誘導機構:サイレンサーの存在下でカドミウムによるHHO誘導が抑制される。この機序を解明するためにはまずカドミウムがどのようにHHOを誘導するかを明らかにする必要がある。解析の結果転写開始点の上流5kbにTGCTAGATTTというカドミウム応答領域が存在した。この領域はヘムによるHHO誘導には全く関与しておらず、機構の異なるカドミウムとヘムによる誘導を熱ショックを介してサイレンサーが抑制することは非常に興味深い。しかもラットHOは違うエレメントによりカドミウム誘導が起きることが明らかとなり種差の存在が示された。
(3)単球分化に伴う誘導機構:TPA処理で単球が分化するに伴いHHOは誘導される。この誘導には5'上流150bpに存在するエレメントGTCATATGACが関与していた。本エレメントを認識すると考えられる転写因子は5kbほどの大きさをもっているが、ラットに於いては1kbと小さいことが示され、現在解析中である。
このように、解析を進めるにつれてヒトとラットのHOのストレスによる誘導機序が全く異なっているらしいことが示されてきた。同じ哺乳類に属しているにもかかわらず、どうしてこのような誘導機構の種差が存在するのかという考察を進めるうえで、誘導能のないHOのアイソザイム(HO-2)との進化上での関連、ことにHOが原始的な生命体のどこまでに存在するか、それらはショック蛋白であるか否かを解明して行く必要がある。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Y.Muraosa,et al.: "Identification of a cis-acting element and putative trans-acting factors responsibl for TPA-mediated induction of heme oxygenase expression in myelomonocytes." Mol.Cell Biol.13. 7881-7891 (1993)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] K.Takeda,et al.: "Identification of a cis-acting element that is responsible for cadmium-mediated induction of the muman heme oxygenase gene." J.Biol.Chem. 269. 22858-22867 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] A.Takeda,et al.: "Increased expression of heme oxygenase mRNA in rat brain following transient forebrain ischemia.." Brain Res.(印刷中). (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] K.Takeda,et al.: "Differential control of the metal-mediated activation of the human heme oxygenase-1 and metallothioneins IIa genes." Biochem.Biophys.Res.Comm.(印刷中). (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 藤田博美他: "さまざまなストレスに応答する不思議な酵素:ヘムオキシゲナーゼ(総説)" 衛生化学. 41. 14-23 (199)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] H.Fujita,et al.: "Regulation of Heme Protein Synthesis" AlphaMed Press,Dayton,Ohio,U.S.A., 139 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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