研究概要 |
真性粘菌Physarum polycephalumのミクソアメーバに誘導される熱ショックタンパク質HSP66の遺伝子構造とその発現の機構を知るために,遺伝子DNAの単離とその塩基配列の決定に取組んだ.特に上流領域の調節配列に着目し,実験を進めたが,現在までに上流域約200bpまでしか単離できていない.なぜうまくいかないかについて検討し,更に新しい方法で分離を試みている.尚,上流約200bpには,調節配列は見当らず,今後約2kbpの上流DNAを分離する予定である. また,HSP66とin vivoで複合体を作っていると考えられるタンパク質HSP42(これも熱ショックによって誘導されるタンパク質である)を見出し,その精製を行なった.これは,HSP66とアクチンとの結合を調節しているタンパク質である可能性が示され,HSP66はHSP42が存在するとはじめてアクチンと結合するものと考えられる.現在,HSP42の抗体の作成と,HSP66,HSP42,アクチンの相互作用の解析を行っており,HSP42の部分アミノ酸配列の決定も遂行中である.
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