研究概要 |
REF1はHsp40ファミリーの一つであり、接合因子情報伝達系においてG蛋白質サブユニットGPA1の上流で作用すると考えられる。GPA1の上流で作用する蛋白質として接合因子受容体(STE2遺伝子によりコードされる)が知られており、その発現量の調節は、一つは、エンドサイトーシスまたそれにひき続く分解によって制御されている。よって、REF1が、受容体のエンドサイトーシスに関与することが考えられる。このことを調べるため、STE2遺伝子の発現が速やかにshut-offされるような融合遺伝子GAL-STE2のみを持つ細胞を構築した。GALプロモーターは、ガラクトース培地のみで誘導され、グルコース存在下でその発現は抑制される。 REF1遺伝子の欠損は細胞増殖には影響しない。もし,REF1が、受容体のエンドサイトーシスに関与するなら、REF1欠損細胞においては、STE2遺伝子の発現が速やかにshut-offされた後も,STE2蛋白質(STE2p)が存在し続けることが予想される。以上の実験を行うことにより、REF1欠損細胞においては、STE2pが安定化されることが示されREF1のエンドサイトーシスへの関与が示唆された。
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