研究課題/領域番号 |
06261218
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
吉開 泰信 名古屋大学, 医学部, 教授 (90158402)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1994年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | γδ型T細胞クローン / ストレス蛋白質 / 自己反応性 / 老齢マウス / BID(Vδ5) |
研究概要 |
ストレス蛋白質(HSP)反応性γδ型T細胞のクローニングを行い、その抗原認識機構と機能について検討した。加齢(12ヶ月齢)マウスの自己リンパ球混合培養(MLR)のT細胞からγδ型T細胞ハイブリドーマを作製した。自己反応性を示す9個のγδ型T細胞ハイブリドーマのなかで5個のハイブリドーマの自己反応性を抗HSP抗体であるML-30が有意に阻害した。これらのハイブリドーマのγδ型T細胞レセプターのV領域の塩基配列を検索したところ、VδはVδ5-Jδ1からなり、そのN多様性は認められず、BALB/ccマウスに特異的にみられるBID(BALB/c invariant δ鎖)であることが分かった。刺激細胞をBALB/b、BALB/kにしても反応することから、この反応性には古典的なMHC以外分子が関与していることが明らかとなった。 次に加齢マウスの自己MLRよりIL-2およびIL-7を用いてγδ型T細胞のクローン化を行い、Vγ1/Vδ5(BID)自己反応性γδ型T細胞クローン(KM1)を得た。KM-1のサイトカイン産生能をRT-PCRおよび培養上清のELISAで測定した。Th1型サイトカインであるIL-2、γIFNの産生がみられたが、Th2型サイトカイン(IL-4、IL-10)の産生は認められなかった。 以上の結果より、特有なVδ5(BID)を発現するγδ型T細胞が自己脾細胞に反応してTh1タイプのサイトカインを産生することが分かった。抗HSP65抗体であるML-30で認識される抗原がそのリガンドと考えられる。HSPは系統発生的に非常に相同性高い蛋白質である。一方、このγδ型T細胞はBALB由来の抗原にしか反応しない。従って、このγδ型T細胞はHSPに結合したBALB由来のペプチドまたは抗HSP65抗体に交差反応するBALB由来の抗原を認識すると考えられよう。
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