• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

原核生物のストレス蛋白質の構造と機能

研究課題

研究課題/領域番号 06261228
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関鳥取大学

研究代表者

河田 康志  鳥取大学, 工学部, 助教授 (40177697)

研究分担者 永井 純  鳥取大学, 工学部, 教授 (50025334)
溝端 知宏  鳥取大学, 工学部, 助手 (50263489)
研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワードストレス蛋白質 / 分子シャペロン / GroE / シャペロニン / 立体構造形成
研究概要

熱のストレスによってより多量に生産される熱ショック蛋白質(HSP;Heat Shock Protein)は細胞内蛋白質の大きな立体構造変化に関与し,細胞機能に重要な役割を果している。これら熱ショック蛋白質の中の,in vitroでも蛋白質の立体構造・高次構造形成に関与する大腸菌のシャペロニンGroE(GroEL(Hsp60),GroES(Hsp10))の構造と機能について研究を行なった。
1.シャペロニンGroEの構造
大腸菌のシャペロニンGroELのX線結晶構造解析がYale大学のグループによってごく最近なされた。GroELは分子量5万8千のサブユニットの14量体からなる巨大オリゴマー蛋白質である。中央に直径45Aの穴をもつ特徴のあるGroELは分子量1万のサブユニットの7量体からなる同様な構造をしたGroESとATP,ADP存在下で複合体を形成する。このGroEL-GroES複合体形成をキャピラリー電気泳動を利用して,シャペロニン活性に有効であることがすでに確かめられている他のヌクレオチド(CTP,UTP,ATP-γ-S,AMP-PNP)存在下でも同様に調べた。すべてのヌクレオチド存在下でGroEL14とGroES7は1対1で複合体を形成することが明らかになった。
2.シャペロニンGroEの機能発現
シャペロニンGroEの機能発現について,様々な酵素を“基質"として詳細に調べた。また,その機能に重要な働きをするヌクレオチドについても詳細な検討を行った。GroELは様々な蛋白質の再生中間体と複合体を形成し,一時的にその再生反応を止める。この複合体はATPの添加によって解離し,解離した再生中間体は効率よく再生する。GroE分子は様々な種類の蛋白質の構造形成にかなり広範囲にわたって機能するものと考えられる。
一方、GroELのヌクレオチド特異性を調べたところ,GroESが存在するとATPだけではなくADP,CTP,UTPによっても再生中間体は効率よくGroELから解離し,活性を回復することが明らかになった。ADPはGroELによって加水分解されないので,ATPの加水分解エネルギーを利用してGroEは機能しているのではなく,ヌクレオチドのGroELへの結合が重要であると思われる。ヌクレオチドがGroELに結合することにより,GroELのコンホメーションが変化し再生中間体がスムーズに解離し正しい立体構造が形成するものと考えられる。GroESはこのとき,ADP,CTP,UTPの結合によるGroELのコンホメーション変化をさらに強めるような役割をしていると考えられる。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Y.Kawata: "Chaperonin GroE and ADP facilitate the folding of various proteins and protect against heat inactivation" FEBS Letters. 345. 229-232 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] 河田 康志: "ストレス蛋白質シャペロニンの構造と機能" 最新医学. 49. 22-35 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] T.Mizobata: "The guanidine-induced conformational changes of the chaperonin GroEL from Escherichia coli" Biochimica et Biophysica Acta. 1209. 83-88 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

URL: 

公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi