研究課題/領域番号 |
06261231
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
谷 時雄 九州大学, 理学部, 助教授 (80197516)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | mRNA核外輸送 / 熱ショック応答 / 分裂酵母 / Schizosaccharomyces pombe / 熱ショックタンパク |
研究概要 |
mRNAの核から細胞質への輸送は、真核生物における遺伝子発現の重要な一段階である。我々は、oligo dTをプローブに用いたin situ hybridization 解析により、分裂酵母Schizosaccharomyces pombeにおいて熱ショックストレスがmRNA核外輸送系に及ぼす影響を解析した。その結果、42℃での急激な熱ショックストレスを与えた細胞においては、細胞質のpoly(A)+RNAが減少すると同時に、大量のpoly(A)+RNAが核に蓄積することが明かとなった。このことは、mRNA核外輸送経路が急激な熱ショック処理により阻害されることを示唆している。熱ショック蛋白の発現を誘導する37℃での緩やかな熱処理を、42℃での熱ショック処理の前に行うと、mRNA核外輸送機構の阻害は見られなかった。熱ショックを与えた酵母においては、核小体領域が2〜3個の凝縮した構造体に変化することが観察された。興味深いことに、oligo dTプローブと核小体の蛋白であるフィブリラリンに対する抗体を用いて2重染色を行った結果、poly(A)+RNAは熱ショック処理細胞において、凝縮した核小体領域内に蓄積していることが示された。電子顕微鏡を用いた高解像度のin situ hybridization解析によっても、熱ショック処理細胞においては、核小体領域にpoly(A)+RNAが蓄積していることが証明されたこのことは、酵母の核小体がrRNA合成のみでなく、mRNAの核外輸送系にも関与している可能性を示唆している。今後、急激な熱ショックストレスからのmRNA核外輸送系の保護に関与するhsp遺伝子の同定を行う予定である。
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