研究課題/領域番号 |
06262208
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
永田 昭久 東京大学, 医学部(医), 講師 (50155933)
|
研究分担者 |
岡山 博人 東京大学, 医学部(医), 教授 (40111950)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 細胞周期 / G2期 / WOS1 / eIF2-αキナーゼ / ycn変異 |
研究概要 |
動物細胞のG2期制御機構を明らかにするために、分裂酵母の変異株を宿主とした異種生物間遺伝子相補により、動物細胞のG2期制御遺伝子の単離・解析を進めている。ヒト線維芽細胞由来のcDNAライブラリーから、分裂酵母weel・mik1二重変異株を相補できる遺伝子WOS1を単離した。分子遺伝学的解析の結果、WOS1は、セリン・スレオニン型キナーゼをコードし、2種類(WOS1-A、B)存在する。AタイプのものはBタイプのものより2つのキナーゼドメインにはさまれた中央領域で、31アミノ酸短くなっており、しかも全く異なった配列に変化していることがわかった。このキナーゼは、以前、ラビットレティキュロサイトから単離されたheme regulatory inhibitor(HRI)と呼ばれているeIF2-αを燐酸化するキナーゼと最も高い相同性があった。このHRIは、ヘムの欠乏により活性化され、eIF2-αの燐酸化による蛋白質合成の停止に関与していると言われており、おそらくWOS1遺伝子は、この遺伝子のヒトホモローグとして考えられる。eIF2-αを燐酸化するキナーゼとして、出芽酵母のGCN2と呼ばれるアミノ酸の飢餓により活性化されるキナーゼが存在する。WOS1-Bは、HRIと同様にgcn2変異を相補する活性を有するが、WOS1-Bは、HRIと同様にgcn2変異を相補する活性を有するが、WOS1-AはGCN活性を持たない。WOSI遺伝子は、G0及びG2期で発現しており、Bタイプは、GCN活性を持つが、Aタイプは、GCN活性を持たないこと、更に、WOS1-A、B共に分裂酵母のG2期制御異常の変異を相補できることから、G2期においてはeIF2-αの燐酸化を介さない機構で機能している可能性が示唆された。
|