研究課題/領域番号 |
06263214
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
瀬野 悍二 国立遺伝学研究所, 分子遺伝研究系, 教授 (30076989)
|
研究分担者 |
岸 努 国立遺伝学研究所, 分子遺伝研究系, 助手 (80260024)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | マウス細胞株 / ユビキチン活性化酵素 / 温度感受性変異 / 細胞周期 / DNA修復 / DNA複製 / ヌクレオチド代謝 / 誘導突然変異 |
研究概要 |
1.ユビキチン活性化酵素E1温度感受性変異株tsFS20は非許容温度下主としてS期に停止する。 2.その際、in vivo DNA合成能が急速に低下するが、RNAおよび蛋白質合成能は正常であった。 3.lysolecithin処理によるpermeabilized cellsを用いたin vitro DNA合成活性の測定によって、本変異株のDNA合成装置は基本的には損なわれていないことが示唆された。 4.非許容温度に16h培養した後の細胞内dNTP poolを測定したところ、dCTPとdTTPの著しい低下がみられた。対照に用いたDNA polymerase aのts変異株tsFT20(S期停止)ではそのような低下はなかった。また、親株細胞をアフィデイコリン処理してDNA合成を阻害しても細胞内dNTP poolの低下はない。 5.したがって、ユビキチン系がde novoデオキシヌクレオチド代謝・合成経路の制御を通してS期進行に関与していることが示唆された。特に、リボヌクレオチド還元酵素を中心とした律速系がユビキチン化の標的である可能性が高い。 6.また、本変異株はMNNGやUVに高感受性を示す一方、誘発突然変異頻度は逆に低下する。この表現型は、出芽酵母rad6(ユビキチン結合酵素UBC2の変異)の表現型に似ている。 7.しかし、本tsFS20株はE1酵素の変異株であり、複数のE2分子種へのユビキチン転送能が損なわれていることが十分考えられる。したがって、1-5)の表現型と6)の表現型の統一的な説明は今後の解析結果による。
|