研究課題/領域番号 |
06264201
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
栗原 堅三 北海道大学, 薬学部, 教授 (00016114)
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研究分担者 |
庄司 隆行 北海道大学, 薬学部, 教務職員 (00241349)
柏柳 誠 北海道大学, 薬学部, 助手 (20169436)
松岡 一郎 北海道大学, 薬学部, 助手 (40157269)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1994年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 味覚受容体 / 嗅覚受容体 / GTP結合蛋白質 / 単一嗅細胞 / cAMP / IP3 / 細胞内情報伝達 / 化学感覚細胞 |
研究概要 |
ウシ味覚器からGTP結合蛋白質共役型受容体のクローニングを行った。この結果、この遺伝子は、先に嗅覚器からクローニングされたGTP結合蛋白質共役型受容体と同じファミリーに属することが明らかになった。そこで、味覚器や嗅覚器に共通に見いだされたGTP結合蛋白質共役型受容体(以後GCRと呼ぶ)の生理的な役割を明らかにするための実験を行った。一般に、一個の化学感覚細胞には一種類のGCRが存在し、一個の細胞はそのGCRに結合する特定に化学物質のみに応答するという仮説がある。そこで、カメ嗅覚器を用いて、単一の嗅細胞がどのくらいのにおい分子に応答するかを調べた。実験は、嗅細胞の先端に存在する嗅線毛から電気応答を記録する手法で行った。この結果、一個の嗅細胞は、調べた90%以上のにおい分子に応答することが明らかになった。このことは、一個の細胞に複数のGCRが存在するか、または一個のGCRは非常に多くのリガンドと結合するルーズな特異性をもっていることを示唆した。 化学感覚細胞にリガンドを作用させると、GTP結合蛋白質を介して、cAMP系またはIP3系を介して情報変換が行われる。そこで、一個の細胞に複数の情報伝達系が存在するかどうかを調べた。この結果、多くの単一嗅細胞は、cAMP系のにおい物質にも、IP3系のにおい物質にも応答することがわかった。すなわち、単一の嗅細胞には、cAMP系とIP3系の両方の情報伝達経路が存在することが明らかになった。味覚器のGCRと嗅覚器のGCRは同じファミリーに属するので、以上得られた結果は、味細胞にも適用されるものと考えられる。
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