研究課題/領域番号 |
06264211
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 福井医科大学 |
研究代表者 |
山村 博平 福井医科大学, 医学部, 教授 (90030882)
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研究分担者 |
柳 茂 福井医科大学, 医学部, 助手 (60252003)
稲津 哲也 福井医科大学, 医学部, 助手 (00242587)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1994年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | Syk / チロシンキナーゼ / GTP結合蛋白質 / PI3-kinase / Shc |
研究概要 |
本年度はまず新たにポリクローナル抗Syk抗体を作成し、Sykの細胞内情報伝達機構における位置付けを検討した。7回膜貫通型受容体はGTP結合蛋白質(G蛋白)とカップリングしていることが知られているが、これらの受容体を刺激するとSykは活性化することから、それらの活性化機構におけるG蛋白の関与が示唆された。多核白血球を用いた研究よりfMLP刺激によるSykの活性化には百日咳毒素感受性のG蛋白が介在しており、A kinase系の阻害剤によりSykの活性化が抑制されることを明らかにした。その一方で血小板ではG蛋白阻害剤存在下のcell freeの条件でもSykの活性化を検出したため、より複雑な機構により制御されているものと考えている。続いて低分子量G蛋白の1つであるRas活性化pathwayにおけるSykの関与を明らかにした。アゴニスト刺激によりSykはチロシンリン酸化されるが、血小板を用いた研究により、リン酸化チロシンと親和性のあるSH2を持つGTPase活性化蛋白質(GAP)がSykの基質となりうること、またphosphatidylinositol 3-kinase(PI3-kinase)とSykがassociationすることを見出した。特に後者はSyk免疫沈降物中に活性化型で存在し、その後Sykと共に細胞骨格系へ移行することを検出した。また黒崎らと我々のグループはSyk欠損株を含むB細胞の様々な変異株を作成し、B細胞抗原受容体からのシグナリングにおけるSykのRas pathwayへの関与を調べた。その結果、アダプター分子の一つであるShcはSykとassociateしており、刺激後に活性化されたSykによりチロシンリン酸化されることを見出した。さらにShcは別のアダプター分子であるGrb2と刺激依存性に結合することが確認され、Rasを介した核へのシグナル伝達経路にSykが一定の役割を持つことが示唆された。
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