研究課題/領域番号 |
06265201
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小笠原 一誠 北海道大学, 免疫科学研究所, 助教授 (20169163)
|
研究分担者 |
岩渕 和也 北海道大学, 免疫科学研究所, 助手 (20184898)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1994年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
|
キーワード | ペプチドワクチン / カセットセオリー / インフルエンザ / ヘムアグルチニン / MHC |
研究概要 |
我々は、ハイチトクロームcの43-58残基よりなるペプチドp43-58のMHCクラスII分子と結合するアグレトープ部分を残して、中央の7残基をインフルエンザウイルス由来のペプチドに置換したハイブリッドペプチドを、ワクチンとして使用できるか否か検討した(カセットセオリー)。カセットセオリーを証明するため、インフルエンザウイルスのヘムアグルチニン(HA)の127-133番残基をI-A^b結合性フレームにいれたペプチド(46F/HA127-133/54A)で、I-A^b分子を有するマウスを免疫した。その結果、46F/HA127-133/54A特異的ヘルパーT細胞とインフルエンザウイルスを中和する抗体を誘導することができた。このことにより、カセットセオリーが有効であることが証明された。さらに、ペプチドワクチンをリポゾームに入れて鼻腔より投与することにより、インフルエンザウイルスの感染をin vivoでも防ぐことができた。挿入したインフルエンザウイルス由来のペプチドHA127-133は、インフルエンザウイルスのH3サブタイプ間では比較的よく保存されている。これまで使用してきたインフルエンザウイルスはA/Aichi/2/68株であったが、本年度は、HA127-133が同じであるA/Texas/1/77株に対しても、46F/HA127-133/54Aが有効か否か検討した。その結果、46F/HA127-133/54Aは、A/Texas/1/77の感染もin vivoで抑制することが判明した。このことから、インフルエンザウイルスの変異(antigen drift)により従来のワクチンがすぐに効果を失うという欠点を、我々のペプチドワクチンが克服できると期待される。
|