研究課題/領域番号 |
06265221
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
菊谷 仁 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助教授 (80161412)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1994年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 自己免疫 / I型糖尿病 / 組織適合性抗原 / T細胞 / NODマウス |
研究概要 |
NODマウスは、T細胞依存性自己免疫糖尿病を自然発症するヒトI型糖尿病のモデルマウスである。NODマウスの自己免疫成立に関わる自己抗原を同定することを目的に、膵島反応性CD4T細胞クローンの認識する膵島抗原の解析を行った。その結果、5種のT細胞のクローンのうち少なくとも2種のクローンは異なった抗原エピトープを認識することを明かにした。また、膵島β細胞の破壊機構を解析するために、NODマウス由来の膵島反応性CD4T細胞クローンをNOD-scidマウスに移入し、糖尿病の誘導を試みた。異なるT細胞レセプターを発現する4種のT細胞クローンを各々単独で移入した場合、膵島炎とβ細胞破壊を誘導できたが、糖尿病には至らなかった。しかし、これらT細胞クローンを混合して移入したところ、非常に強い膵島炎と糖尿病を効率よく誘導できた。以上の結果は、効率のよい糖尿病発症には、複数の自己抗原エピトープを認識する多様な自己反応性T細胞集団が必要である可能性を示している。又これまで、I-E分子の発現がNODの糖尿病を完全に阻止することをトランスジェニックスマウスを用いて示してきた。本研究ではさらに、I-EトランスジェニックイスマウスNODの脾細胞でNOD-scidに糖尿病を移入できることを示した。この結果はI-E NOD中にはすでに自己反応性T細胞が存在し、何らかの機構でその活性が抑制されている可能性も示唆している。
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