研究分担者 |
徳久 剛史 千葉大学, 医学部・高次機能センター, 教授 (20134364)
木元 博史 国立予防衛生研究所, 免疫部, 研究員 (20225080)
長岡 仁 国立予防衛生研究所, 免疫部, 研究員 (20270647)
三沢 幸子 国立予防衛生研究所, 免疫部, 研究員 (10250185)
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研究概要 |
(1)Germinal center(GC)B細胞増殖維持機構の解明に関してIg^+およびIg^-GC B細胞の解析と純化・精製技術を開発し各細胞分画の性状を免疫学的に解析した。この結果、従来の推察と異なり、多くのGC Ig^+B細胞は分裂している可能性が示唆された。PNA強陽性であるGC B細胞はIg陽性・陰性を問わずB220強陽性、弱陽性の集団に分画され、またIg^+GC B細胞の前抗体産生細胞および記憶細胞と推察される集団はCD40,CD43,CD86,CD71陽性,HSA強陽性の表現型を示すことが明らかにされた。一方免疫の過程でB220弱陽性、PNA弱陽性の細胞集団の数が免疫前と比較して約100倍に増強し、殆どが細胞質内λ陽性μ鎖陰性で細胞表面VLA-4,CD43,CD44,CD71,HSA陽性の表現型を示すことが明らかにされた。この細胞集団がB細胞分化のどの位置に属するかに関してM17,Blimp1等の遺伝子発現を指標として解析中である。現在centroblastから前抗体産生細胞と記憶細胞への分化機序、および記憶細胞における1g体細胞点変異の蓄積の機序の解析のための培養系の確立を行っている。(2)CD43機能に関し前年度、CD43は細胞周期のG1からS期への移行に補助的な役割を担う可能性を明らかにしたが、個体レベルでの機能の確認のため本年度CD43を強発現させたトランスジェニックマウスの作製を終了した。(3)代替L鎖に関して、8HS-20遺伝子欠損マウスでは一部のB細胞の表現型の異常(CD5 B細胞頻度の上昇、HSA強発現B細胞の産生)が認められるものの、B細胞産生異常は認められなかった。またT依存性免疫反応において8HS-20遺伝子欠損マウスでIgG2a抗体産生が著明に増強することを明らかにしたが原因は現在不明である。これまでに得られた欠損マウスでの異常の最終的な確認のためネズミ遺伝子背景を統一する目的でC57BL/6への戻し交配を行いF_4マウスの確立を行った。
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