研究課題/領域番号 |
06266208
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
今川 正良 大阪大学, 薬学部, 助教授 (20136823)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1994年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | 転写 / 遺伝子発現 / サイレンサー / DNA結合蛋白質 |
研究概要 |
グルタチオン-S-トランスフェラーゼ遺伝子は、発癌過程で特異的に発現するが、正常肝ではその発現はほとんど観察されない。またホルモンレセプターはそのダイマー形成様式の違いで正および負の制御をすることが知られている。そこで、遺伝子を負に制御する機構を明らかにすることを目的し、以下の点を明らかにした。 1。サイレンサー結合蛋白質の一つであるSF-Bは、転写活性化遺伝子であるC/EBPβ(=NF-IL6=LAP/LIP)と同一と思われた。LIPはこれまで転写活性化ドメインを欠き転写活性化因子と競合するだけと考えられてきたが、より積極的な作用をしていると推察された。すなわち、直接的に転写を抑制することを明らかにした。さらに興味あることに、エフェクターの濃度によっては、DNA結合ドメインを持たなくても転写を阻害した。これは塩基配列特異的転写因子が、条件によっては非特異的因子として働く可能性を示唆している。 2。もう一つのサイレンサー結合蛋白質SF-Aについては、精製およびミクロシークエンスの結果より、NF1(Nuclear Factor 1)様の蛋白質であることが明らかとなった。NF1は複製に関わる活性化因子としても知られており、その機能の詳細は今後の課題である。 3。VDRは、ホモダイマー又はヘテロダイマーとして働くが、結合に必要な領域はzinc fingerを含むアミノ酸23番目から123番目までの領域であった。また、VDRはレチノイドXレセプター(RXR)の共存により飛躍的そのDNA結合活性が上昇し、他のVDRにも結合するようになった。UDRのダイマー形成には、複数の領域が関与しており、それぞれの領域の機能は異なっていた。さらに、ホモダイマーとヘテロダイマーを形成するために必要な領域はそれぞれ異なっていた。
|