研究課題/領域番号 |
06266219
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
上田 均 国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 助手 (60201349)
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研究分担者 |
広瀬 進 国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 教授 (90022730)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1994年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | ショウジョウバエ / カイコ / 転写 / メディエーター / FTZ-F1 / 標的遺伝子 |
研究概要 |
FTZ-F1遺伝子転写開始点付近の様々なゲノムDNA断片をLacZ遺伝子に結合させた融合遺伝子を持つtransgenic fly系統を作成し、前蛹期におけるレポーター遺伝子産物の発現パターンを解析することにより、転写開始点付近約0.9kb以内に少なくとも発現時期特異性を決める領域が存在することを明らかにした。ステージの異なる様々な核抽出液からこの0.9kbの領域に結合する因子を検索したところ、エクダイソンの変化に応じて挙動の異なる4種類の因子が見い出され、これらの因子の中の複数が、FTZ-F1遺伝子の転写調節にかかわると考えられた。 FTZ-F1の標的遺伝子の候補であるEDG84遺伝子の転写開始点を含む0.8kbの領域をLacZ遺伝子に結合させた融合遺伝子を持つtransgenic fly系統を作成し、レポーター遺伝子の発現パターンを解析した。その結果、この融合遺伝子は、内在性のEDG84遺伝子と同様、囲蛹殻形成後約8時間になると成虫原基由来の細胞で発現が見られ、この領域に組織特異的かつ時期特異的発現に必要な領域が含まれること結論した。また、この0.8kbの領域内に含まれるFTZ-F1の結合配列に塩基置換を生じさせ、FTZ-F1が結合できなくなった融合遺伝子を有するtransgenic fly系統では、レポーター遺伝子の発現は観察されず、EDG84遺伝子の誘導にFTZ-F1が必要であることが示唆された。 Hela抽出液In vitro転写系を用いてFTZ-F1(BmFTZ-F1)がfushi tarazu遺伝子の転写にポジティブに働く機構を解析する過程で、MBF1とMBF2と名付けた因子がmediatorの活性を有することを明らかにしてきた。MBF1とMBF2を精製し、その部分アミノ酸配列を決定し、この情報を基に、これらの遺伝子のクローニングを行なった。MBF2に関してはcDNAクローンの塩基配列を決定し、アミノ酸配列を予想した。データベースを検索したところ、機知のタンパクと有意と思われるホモロジーは無く、MBF2は、新しいタイプのタンパクであると考えられた。
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