研究課題/領域番号 |
06267217
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
梅沢 一夫 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70114402)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1994年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | エピサイクロフェリトール / α-グルコシダーゼ / マウスメラノーマ / ルイス肺がん / Con A結合蛋白 / 浸潤 / 転移 |
研究概要 |
糖鎖プロセッシングに関与する種々のグリコシダーゼ阻害物質およびがん遺伝子作用阻害物質を微生物、植物から探索し、転移抑制剤を開発することおよび阻害剤による細胞表面糖鎖の変化を解析することが目的である。 α-グルコシダーゼ阻害剤、エピサイクロフェリトールはin vivoでマウスのメラノーマB16/F10及びルイス肺がん細胞の転移を強く抑制した。ルイス肺がんの実験ではがん細胞をfootpadに移植した後、7日目に足を切断し、薬剤は足切断時から5日間、iv連続投与した。18日目の観察では40mg/kgで肺転移巣数を80%以上減少させた。新たに60日まで観察したところ、延命効果を示し、生存マウス(2/5)には全く肺に転移巣が見られなかった。未処理群は60日目生存マウスは0/5であり、陽性コントロールのレンチナンは1/5であった。観察期間中に副作用はみられなかった。 次に、マウスメラノーマB16/F10細胞をエピサイクロフェリトールと共に2日間培養するとコラーゲンI、IVとの接着能が低下することから、細胞表面の糖鎖構造の解析をレクチン結合法を用いて行った。その結果、エピサイクロフェリトール存在化で培養することにより、B16/F10細胞に約130KdのCon A結合蛋白が増加することが分かった。Con Aはマンノース及びα-グルコース残基等に結合することが知られている。転移抑制の報告されているカスタノスペルミンにも同様の効果が見られた。一方、エピサイクロフェリトールはGNA、MAA、WGA、PHA-Lの結合には変化を与えなかった。 一方、最近、熱帯植物からα-グルコシダーゼ阻害剤バイカレインおよび抗Ras物質コノフィリンを単離した。バイカレインはB16/F10細胞のin vitro 浸潤、in vivo肺転移を抑制した。一方、コノフィリンはras発現細胞およびB16/F10細胞のin vitro 浸潤を阻害することを見出した。
|