研究課題/領域番号 |
06267221
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
岡崎 俊朗 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (40233308)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 細胞内シグナル伝達 / セラミド / ガングリオシド / AP-1 |
研究概要 |
今回は、糖脂質の直接的な細胞機能への生理作用のよいモデルであるガングリオシド、GM3添加によるHL-60細胞分化誘導機構の細胞内シグナル伝達を解明するために以下の研究を試みた。 (1)ガングリオシド添加によるHL-60細胞分化誘導時のセラミドの量的、質的、そして時間的変化について検討する。 (2)ガングリオシドまたはサラミド添加によるHL-60細胞分化誘導時に、分化に密接に関係すると報告されているfos、jun、mycなどの癌遺伝子シグナルの変化を検討する。 「結果」 まず(1)のプロジェクトについて、ガングリオシドGM3添加によるHL-60細胞の分化誘導を試みたところ、添加数日後に分化誘導作用を示したがその作用は極めて弱く、セラミドの細胞内変化は特定できないようであった。時間的経過、および量的変化を考慮して再検討の余地はあるものの、ガングリオシド->セラミドへのシグナルの流は著明ではなくむしろ逆のシグナルの流であるセラミド->ガングリオシド、又はセラミドシグナルのガングリオシドによる調節の可能性の検討が必要と思われた。 従って、(2)の研究計画によりセラミドによるシグナルの下流について検討し、その後にそれらのシグナルがスフィンゴ脂質およびスフィンゴ糖脂質の代謝とどのように関係しているのかについて検討を試みた。AP-1蛋白の構成因子であるfos、junについて、mRNAレベル、蛋白レベルおよびAP-1のTREへのバインティング量の変化を検討したところ、セラミドにより全ての段階にて増加が認められmRNAについては処理後30分より増加を開始していた。セラミドによるDNA断片化は処理後3時間に認められた。セラミドによりHL-60細胞の分化が誘導され、AP-1は細胞分化誘導の過程においても変化することが認められている。これらの結果は、AP-1などの核内転写因子に対するガングリオシドなどのスフィンゴ糖脂質のmodulationの可能性を示唆している。
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