研究課題/領域番号 |
06267225
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
反町 典子 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 免疫研究部門, 研究員 (30217468)
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研究分担者 |
川島 博人 大阪大学, バイオメディカル教育研究センター・臓器制御研究部門, 助手 (50260336)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | CD44 / Serglycin / 接着分子 / プロテオグリカン / コンドロイチン硫酸 |
研究概要 |
私たちは最近、マウス培養T細胞株の培養上清中に、新しいCD44リガンドgp600を見い出した。gp600は18〜22kDaの短いコアタンパク質にコンドロイチン硫酸様糖鎖が付加したプロテオグリカンであった。本研究は、このgp600の精製およびコアタンパク質のアミノ酸配列の同定、その生理機能の解析を目的として行い、以下のような成果を得た。 (1)gp600のコアタンパク質のアミノ酸配列を決定した結果、gp600は免疫造血系細胞に限局して産生されるプロテオグリカンserglycinであることを明らかにした。 (2)gp600/serglycinはCD44に特異的に結合し、その結合にはgp600/serglycin上のコンドロイチン4-硫酸が必須であることを明らかにした。 (3)CD44は精製コンドロイチン4-硫酸には結合しないことから、CD44のgp600/serglycinへの結合にはコアタンパク質によって提示されるコンドロイチン硫酸の構造が重要であることを示唆した。 (4)CD44のgp600/serglycinへの結合能は調節を受けており、活性化型CD44のみがgp600/serglycinに結合できることを明らかにした。 (5)gp600/serglycinは細胞表面CD44に結合し、細胞凝集を誘導すること、さらに細胞傷害性T細胞を活性化することを明らかにした。既知のリガンドの一つであるヒアルロン酸は細胞傷害性T細胞の活性化に関与しなかった。 以上、免疫造血系細胞に限局して産生されるgp600/serglycinは、CD44を介して免疫系細胞の接着と活性化に関与し、ヒアルロン酸とは異なる機能を媒介しうる新しいCD44リガンドであることが示された。
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