研究課題/領域番号 |
06268202
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
宮武 昌一郎 千葉大学, 医学部, 助手 (30239420)
|
研究分担者 |
荒瀬 尚 千葉大学, 医学部, 助手 (10261900)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | ζ鎖欠損マウス / FcRγ鎖欠損マウス / IEL / DETC / TCR-CD3複合体 |
研究概要 |
ζ鎖欠損マウスに細胞内領域を欠損した変異ζ鎖を発現するトランスジェニックマウスを交配させることにより、変異ζ鎖のみを持つマウスを作製した。このマウスでは、(1)胸腺細胞におけるTCRの発現レベルが、ζ鎖欠損マウスに比べ増大した。(2)DNからDPへの分化は、ζ鎖欠損マウスと同様に阻害されており、多くがCD44-CD25^+の細胞の段階で分化障害を受けたままであった。(3)DPからSPへの分化は、ζ鎖欠損マウスに比べ回復しており、SP数の増加、CD69やHSAなどのマーカー発現により示された。これらの結果から、ζ鎖の細胞内領域を介するシグナルは、DNからDPへの分化またはDPの増殖には必須であるが、DPからSPへの分化は、TCR-CD3複合体の他のCD3分子からのシグナルが代替でき、TCR発現レベルが重要であることが明らかとなった。 ζ鎖欠損マウスの解析から、胸腺外で分化する小腸上皮内T細胞(i-IEL)は、TCR複合体にFcRγ鎖を含む事が判明し、更に表皮のDETC、生殖器系の上皮内に存在するγδ+T細胞(r-IEL)もFCεRIγ鎖を含むと考えられた。今回、c57BL/6 ES細胞を用いて、FcRγ鎖欠損マウスを樹立する事に成功した。このマウスでは、胸腺外分化を遂げるCD8αα^+iIELおよび、DETCでは、細胞表面TCRレベルが減少し、一方r-IELは、そのその分化が障害され、細胞数が顕著に減少した。この事から、これら粘膜上皮系のT細胞はFcRγ鎖をTCR複合体に用いており、FcRγ鎖の発現レベルに応じて、欠損マウスで分化障害や、TCR発現低下を起こすと考えられた。
|