研究課題/領域番号 |
06269207
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
塚谷 裕一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (90260512)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1994年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | アラビドプシス / 形態形成 / 細胞骨格 / 発生遺伝学 / 葉 / 突然変異体 |
研究概要 |
本研究の目的は、従来の視点からは解析が困難であった双子葉植物の葉の形態形成を、発生遺伝学的に解明することである。今年度は、葉の形態に関する新たな突然変異株の単離と、その遺伝学的・解剖学的また組織化学的解析、タッギングによる変異体の単離を計画した。 変異体に関しては、興味深い変異体を新たに単離・命名した。葉の縦の長さは正常で横幅が短いangustifolia変異体とカウンターパートになる、rotundifolia変異はその一つで、葉の横幅は正常で縦が短い新規のカテゴリーの変異体である(塚谷1994,柘植と塚谷in press)。これらの解析結果からアラビドプシスの葉形は、細胞の極性伸長レベルで、独立に縦方向と横方向に制御を受けていることが判明した。その他、多数の変異体の単離と解析を進めた。 一方これまでの解析から、ANGUSTIFOLIA遺伝子が標的とする未知の因子が想定されたので、angustifolia変異を抑圧する変異の単離を試み、候補を得た。これまでに得た変異体についても、相互作用を解明すべく、二重変異体を作出中である。 また子葉に着目した解析の結果、アラビドプシスの子葉の特性を生かせば、葉の形態形成を容易に解析できると判明したので、これを新たなモデル系として提唱した(Tsukaya et al.1994)。 さらに、葉と花茎の細胞伸長に欠損のあるacaulis変異体について、細胞壁微小管の配向に異常を見い出した(Tsukaya et al.in press)。 タッギングラインからの葉形態形成遺伝子単離の試みからは、いくつか候補を得た。現在、挿入遺伝子と変異遺伝子との連鎖を確認している。 以上の成果は、アラビドプシスをモデル植物とした、双子葉植物の葉の形態形成過程の発生遺伝学的解析として初のものであり、今後この分野の先駆けとなるものである。
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