研究課題/領域番号 |
06271107
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
森杉 壽芳 岐阜大学, 工学部, 教授 (80026161)
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研究分担者 |
大野 栄治 筑波大学, 社会工学系, 講師 (50175246)
肥田野 登 東京工業大学, 工学部, 教授 (90111658)
小池 淳司 岐阜大学, 工学部, 助手 (60262747)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1994年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 環境質 / 経済的評価 / 国民経済計算体系 / 環境経済総合勘定体系 / 国民総生産 / グリーンGNP |
研究概要 |
本研究では、次の方法でグリーンGNPを計算することとした。 (グリーンGNP)=(GNP)-(環境水準の維持費用)-(環境悪化の被害費用) このうち、右辺第2項については、国による公害対策・海岸保全の事業への投資額、公共企業による下水道等の事業への投資額、および民間企業による産業公害防止設備への投資額を計上した。右辺第3項については、その計測手法を平成5年度研究成果として報告しており、それを用いて環境悪化(水質汚濁・大気汚染・騒音)の被害費用の計測を試みた。具体的には、アンケート調査を実施して公園利用と環境水準の関係を求め、環境悪化に伴う公園利用の減少から住民の損失額を計算しようとしたが、大気汚染と騒音については異常と思われるような過大評価が予備調査の段階で予想されたので、水質汚濁についての調査のみに終わった。過大評価の主な理由は、環境質の代理市場として公園利用の市場のみに着目することが妥当でなかったということであり、この問題の解決が今後の課題として残される。そこで、当面、この手法による計測を諦め、大気汚染の被害費用のみについて6種類の汚染物質(一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物、硫黄酸化物、炭化水素、浮遊粒子物質)の社会的費用の原単位を用いて計測することとした。 この方法で1978〜1990年の13年間のグリーンGNPを試算した。1978年では約209兆円のGNPが約202兆円のグリーンGNPとなり、約7兆円の減少(3.3%の減少率)となった。また、1990年では約435兆円(GNP)が約424兆円(クリーンGNP)となり、約11兆円の減少(2.5%の減少率)となった。したがって、GNPから差し引かれる環境維持費用と環境被害費用は年々増加しているが、その伸びはGNPの伸びに比べて幾分緩やかであるといえる。
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