研究課題/領域番号 |
06271238
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮越 順二 京都大学, 医学部, 講師 (70121572)
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研究分担者 |
塚田 俊彦 京都大学, 医学部, 助手 (10207334)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1994年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 極低周波変動磁場 / ベータガラクトシダーゼ / 遺伝子発現 / PC12細胞 / forskolin / TPA / シグナル伝達 |
研究概要 |
ラット褐色細胞腫由来の培養細胞(PC12)にヒトvasoactive intestinal peptide遺伝子のプロモーターにベータガラクトシダーゼ遺伝子を結合して得たキメラ遺伝子を導入した形質転換細胞(PC12-VG)を用いて、ForskolinやTPA刺激によりサイクリックAMPやプロテインカイネースC(PKC)を活性化させる。これらの活性化を経てベータガラクトシダーゼの遺伝子発現が誘導される経路について、ELF曝磁、非曝磁下で実験を行い、ELFのシグナル伝達に対する関与を異なった磁場密度で径時的な変化の有無について検索した。非曝露対照のforskolinで4時間刺激した場合のベータガラクトシダーゼの活性を100%とする。この刺激をELF(200mTおよび400mT)曝露下で行うとベータガラクトシダーゼ活性は磁場密度依存的にさらに上昇した。forskolinにTPAを加えた場合、ベータガラクトシダーゼ活性は非曝磁下でforskolin単独に比べ約2.34倍、この刺激を400mTのELF曝露下で行った場合、ベータガラクトシダーゼ活性は約2.52倍に上昇した。また、Ca^<2+>流入阻害剤やPKCの特異的阻害剤処理によりベータガラクトシダーゼ活性は曝磁および非曝磁下ともに対照レベルより低下した。以上の結果、高磁場密度の極低周波(50Hz)変動磁場はサイクリックAMPや細胞質内Ca^<2+>濃度の上昇ならびにプロテインカイネースCを介した細胞のシグナル伝達系に影響を及ぼし、ベータガラクトシダーゼの遺伝子発現を誘導している可能性が示唆された。まさらに、forskolin刺激とELF曝露による遺伝子発現の誘導は1時間以内の初期応答の遺伝子発現であることが明らかとなった。このことは変動磁場によるc-fosやc-mycの初期応答遺伝子群の発現誘導とも深く関連するように考えられる。
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