研究課題/領域番号 |
06271247
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹内 亨 大阪大学, 医学部, 講師 (00188161)
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研究分担者 |
竹下 達也 大阪大学, 医学部, 助教授 (20150310)
森本 兼曩 大阪大学, 医学部, 教授 (20143414)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1994年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | アスベスト / 活性酸素 / DNA損傷 / ヒト / 8ヒドロキシデオキシグアノシン / HL60 |
研究概要 |
粒子状大気汚染物質、なかでもアスベストは発がん物質として知られている。アスベストによる発がんには、活性酸素が関与していると考えられている。本研究では、アスベストが活性酸素によるDNA損傷をヒト細胞に誘発する実験系の確立・DNA損傷誘発機構の検討・各種アスベスト線維によるDNA損傷誘発能の差を検討し、アスベストさらには粒子状大気汚染物質による発がん機構の解明・その予防の基礎資料を得ることを目的にした。貧食細胞様細胞に分化したヒト培養細胞HL60を用いることにより、発がん性の強いアスベスト線維の1つであるクロシドライト(CRO)が細胞内DNAに酸化的DNA損傷(80HdG)を誘発することが判った。一方、80HdG測定時にCROが混在するだけで、80HdG値を増加させるため、対照にも等量のCROを添加する必要があった。80HdG誘発機構としては、貧食により細胞内、特に核近傍に進入したCROが、細胞内で常に発生している活性酸素と反応し80HdGを誘発すると考えられた。しかし、CROの構成成分である鉄あるいは貧食時に産生されると考えられている一酸化窒素のDNA損傷誘発に対する関与については、さらに検討する必要がある。アスベストは化学組成・形態の異なる各種線維の総称であり、各線維により発がん性に差があると報告されている。それ故、各種アスベスト線維による80HdGの差を検討した。その結果、総ての線維が80HdGを誘発したが、クリソタイルA,Bは80HdG誘発能が低い傾向がみられた。しかし、アスベスト線維が混在する測定系では、80HdG測定誤差が顕著になる。そのため、線維間の差について結論を下すためには測定精度を高めて、再検討する必要がある。現在80HdG測定精度を上げるための検討を行っている。
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