研究課題/領域番号 |
06271267
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立環境研究所 |
研究代表者 |
矢木 修身 国立環境研究所, 水土壌圏環境部, 室長 (40132865)
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研究分担者 |
中村 邦彦 国立水俣病研究センター, 基礎研究部, 室長
岩崎 一弘 国立環境研究所, 地域環境研究グループ, 研究員 (30193717)
内山 裕夫 国立環境研究所, 水土壌圏環境部, 主任研究員 (00185042)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1994年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 有機水銀 / 塩化水銀 / バイオレメディエーション / 土壌汚染 / 生分解 / 分子育種 |
研究概要 |
微生物を用いて水銀汚染土壌を浄化する手法を開発するため、有機及び無機水銀化合物分解能を有する微生物を分離すると共に、水銀分解菌の遺伝的特性を明らかにし、ついでこれらの細菌を育種し、強力な分解菌の作成を試みた。その結果、水俣湾より、各種の有機水銀化合物を分解できる細菌78株を分離した。いずれの細菌もBacillus属に属するものであったが、いずれの物質も1mg/1以下であれば容易に分解されることが判明した。いずれの細菌も、分解遺伝子をクロモゾーム上に保持し、ボストン湾の底泥から分離されたBacilus属の水銀化合物遺伝子と類似していることが判明した。 ついで無機水銀化合物分解能の向上を試みた。塩化第二水銀の分解は、merRからmerAまでの遺伝子群があればよいことから、この部分の遺伝子群を多重導入するタンデム化による塩化第二水銀分解機能の向上化を試みた。すなわち、NR-1プラスミドにコードされている塩化第二水銀分解能に関与するmerRからmerAまでを含む9.1kbのDNA断片を、制限酵素EcoRIを用いる部分消化法により分離した。この断片を、広宿主域ベクターpSUP104に連結し、組換えプラスミドpSR134を作成した。この9.1kbのうち不要部分を切り落とし、役3.8kbのDNAをpSL1190にサブクローニングし、pSLmerを作成した。さらに、3.8kbを2個タンデム化したpSLmer2を作成した。pSLmerより広宿主域ベクターに導入したpSUPmer、pSUPmer2を作成した。ここで作成したpSUPmer、pSUPmer2をE.coil HB101及びPseudomonas putida PpY101に導入し水銀耐性菌を作成した。100ppmの水銀の分解が可能となり、タンデム化により水銀耐性能の向上が認められた。タンデム化により無機水銀還元酵素の生成量が増加していることが判明し、微生物による水銀汚染の浄化が可能なことが示唆された。
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