研究課題/領域番号 |
06271268
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 労働省産業医学総合研究所 |
研究代表者 |
松村 芳美 労働省産業医学総合研究所, 労働環境研究部, 部長 (30209621)
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研究分担者 |
古瀬 三也 労働省産業医学総合研究所, 労働環境研究部, 研究員
小笠原 真理子 労働省産業医学総合研究所, 労働環境研究部, 研究員
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 半金属水素化物 / 半導体材料ガス / セレン化水素 / 吸着 / 排ガス処理 / 回収 |
研究概要 |
半導体ICの製造工程などで使用される有害な半金属水素化物に対して排ガス処理が義務付けられている。近年その排ガス処理法としての使用が増大している吸着法について、吸着に有効な組成の選択と使用後の吸着剤の処理法を含めて、環境と作業者への有害な影響を低減化することを本研究の目的としている。研究内容は種々の化学吸着剤の半導体材料ガスに対する吸着容量の定量的測定、使用する化学物質の有害性調査、使用後の処理過程における環境汚染の低減化の検討である。 研究は前年度に続きセレン化水素を対象ガスとし、その100ppm(窒素希釈)標準ガスを更に空気希釈または窒素希釈して調製した0.1ppmから1.0ppmの低濃度試験気流を用いて種々の化学吸着剤の吸着容量を測定した。吸着剤はシリカゲルを担体とし種々の金属塩または有機塩基を水溶液から添着して調製した。各吸着剤の充填層に試験ガスを導入して出口ガス濃度を連続測定することにより吸着破過曲線を求めた。 本年度の研究結果としてセレン化水素の吸着に対する酸素の強い影響が明かとなった。硫酸銅と炭酸ナトリウムを添着した吸着剤によるセレン化水素の吸着量を、これらの添着試薬に対するモル比で示すとそれぞれ4.52及び9.89以上で、窒素雰囲気中での吸着量1.39及び0.17より大きい。一方、塩化水銀と硝酸亜鉛によるセレン化水素の吸着は酸素に影響されなかった。有機塩基添着シリカゲルは酸素存在化で吸着能を示すが酸素不在下では吸着能はない。半導体IC製造工程の排ガスは、その条件によって吸着剤の排ガス処理能力が変化することが推測された。使用済み吸着剤の処理法として金属のリサイクリングの可能性を検討するために、現存する金属精錬工程の利用の可能性について聴取し、銅精錬工程による銅とセレンの回収の可能性を見いだした。
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